書籍内容紹介(出版社)
世界が注目する作家キム・チョヨプ初のエッセイ、待望の邦訳!
「書きたい」わたしを見つける読書の旅
「わたしをとびきり奇妙で輝かしい世界へといざなってくれた。そんな偶然の瞬間を、及ばずながらここに記していこうと思う。」
本が連れていってくれた偶然の瞬間、
「作家キム・チョヨプ」になるまで。
「なぜ物語を書くのか。その根底にある思いを探るとき、わたしは街灯に沿って家路をたどっていた十七歳の夜を思い出す。」
キム・チョヨプ初のエッセイ『本と偶然』は、読書の道のりを振り返りながら、そこに『書きたい』自分を見つける探検の記録だ。SFというジャンルについて説明を求められ答えを探すために本を読み、専門外のノンフィクションを書くために本を読む。そして小説を書くために本を読む。
「物語と恋に落ちるときのあの気分、それを再現したいという願いが、わたしの「書きたい」という気持ちのまんなかにある。」
読むことがどんなふうに書くことにつながるのか、出会った本が書き手としてのわたしをどんなふうに変えたのか、「読む人の読書から、書く人の読書へ」と変化するなかで「偶然本に出会う喜び」をありのままに綴ったエッセイ集。
冷たくも美しい世界の上に
キム・チョヨプが描くユートピア
「ひとりの人間の心を、内面世界を揺さぶり、消すことのできない痕跡を残して去っていく物語」。「わたしもいつかああいうものをつくりたい」という純粋な気持ちが、今日、「作家キム・チョヨプ」という世界の原点となった。
日韓大ベストセラー『わたしたちが光の速さで進めないなら』、『地球の果ての温室で』、『この世界からは出ていくけれど』、『派遣者たち』、『惑星語書店』、『サイボーグになる』まで、リアルな創作秘話も垣間見られる貴重な一冊。
プロフィール
著者 キム・チョヨプ
1993年生まれ。浦項工科大学化学科を卒業し、同大大学院で生化学修士号を取得。在学中の2017年、第2回韓国科学文学賞中短編部門にて「館内紛失」で大賞、「わたしたちが光の速さで進めないなら」で佳作を受賞し、作家としての活動をスタート。短篇集に『わたしたちが光の速さで進めないなら』『この世界からは出ていくけれど』、長篇に『地球の果ての温室で』『派遣者たち』、掌篇に『惑星語書店』(以上、早川書房)がある。2021年、キム・ウォニョンとの共著のノンフィクション『サイボーグになる テクノロジーと障害、わたしたちの不完全さについて』(岩波書店)で韓国出版文化賞を受賞。
訳者 カン・バンファ
翻訳家。韓日・日韓翻訳講師。訳書に、キム・チョヨプ『わたしたちが光の速さで進めないなら』『この世界からは出ていくけれど』(共訳、早川書房)、『地球の果ての温室で』『派遣者たち』『惑星語書店』(早川書房)、チョ・イェウン『カクテル、ラブ、ゾンビ』(かんき出版)ほか多数。
とんそく子のひとこと感想
とんそく子作家キム・チョヨプさんの初エッセイと聞いて、まず心が動きました。
フィクションの世界で数々の印象的な作品を生み出してきた方が、どんな本を読み、どんな思いで“書く”という行為に向き合ってきたのか――
その軌跡をたどることができる一冊のようです。
「本とわたし」というテーマに惹かれる方ならきっと共鳴するものがあるはず。第一章を読んで、私もカビに関する本が読みたくなりました笑。
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