韓国の2週間の出来事をピックアップして紹介するコーナー。今回は、9月20日から10月3日までの出来事から、以下の三つのニュースをご紹介します。
韓国の放送各社が公式YouTubeで提供するニュース動画もぜひご覧ください!
国民の6割が「茶礼を行わない」
설날(旧正月)や추석(秋夕)などの명절(名節)に、祖先に対して食べ物を供える儀式である차례(茶礼)。
祖先の命日に行う기제사(忌祭祀)に比べると備える食べ物も簡素で、夜ではなく午前中の早い時間に行われるのが特徴です。
今年の秋夕である10月6日にこの茶礼をやらないと答えた人が、半数を超えたとの調査結果が出ました。
韓国農村経済研究院が20代以上1000人を対象に行った調査で、「今年の秋夕に茶礼を行う」と答えた割合が40.4%に過ぎず、2016年の74.4%に比べ34%も下落しました。
同硏究院によると、核家族化や価値観の転換などが複合的に作用した結果だと分析しています。
茶礼に供える食べ物など準備の負担が女性に偏っていることをはじめ、家父長的な伝統的価値観が強いられる名節は、もはや国民共通の行事ではなくなりつつあるのかもしれません。
清渓川復元20周年。固有種の「シュリ」も棲息
ソウルの都心部を東西に流れる청계천(清渓川)。1960年代から蓋をされて道路になり、その上をさらに高架道路が走る、ソウルの経済開発のシンボルになっていました。
その清渓川が再び太陽の下に姿を現したのが2005年。
当時の이명박(李明博)ソウル市長の時代に、老朽化が問題になっていた高架道路を撤去し、川を覆っていた蓋が外され、約10キロメートルの親水公園に生まれ変わったのでした。
それから20年。現在では、年間1600万人が訪れる観光地にもなっています。
ソウル市は10月1日、この清渓川復元を記念し、過去、現在、未来をつなぐ多彩なイベントを開催しました。
清渓川に生息する生物の種類は、20年前の約2倍である600種あまりに増えました。
魚は21種で、피래미(オイカワ)や갈겨니(カワムツ)、민물검정망둑(ヌマチチブ)の他に、映画のタイトルにもなった朝鮮半島固有種の쉬리(ヤガタムギツク)も生息していることがわかりました。
多くは清渓川が合流する중랑천(中浪川)から遡上したものと思われますが、一部は中浪川や한강(漢江)に生息しない魚種もあることから、人為的に放流されたものもあると推測されています。
中国人団体客のビザなし観光始まる
9月29日、中国人団体観光客がビザの取得が不要で韓国に15日間滞在できる「ビザなしプログラム」が始まりました。3人以上の団体客が同じ航空機や船舶で移動することが条件で、来年6月30日まで実施される予定です。
これは昨年11月から、中国が韓国人観光客に対しビザなしで30日間中国に滞在できるようにしたプログラムに呼応するもので、前政権時の今年3月に計画が発表され、現在の이재명(李在明)政権に入った9月7日に実施が決まりました。
中国の大型連休である国慶節と重なったこともあり、多くの中国人観光客が観光地や免税店などを訪れました。
一方、観光ビザ免除に反発し、観光客が多く訪れる명동(明洞)などで極右勢力が反中デモを繰り広げていることに対し、李在明大統領は「表現の自由を超えている」と非難し、強力に取り締まるよう、行政安全部長官に指示を出しました。
韓さんのニュース+α「清渓川の水はどこから来ている?」
1水道水
2支流
3漢江の水
今回紹介した3つのニュース、いかがだったでしょうか? 紹介したニュース動画はいずれも2分前後のものです。聞き取り練習にぜひ生かしてみてください。