なぜそこで過去形を使うの? 韓国語の~했어요の意外な使い方

なぜそこで過去形を使うの? 韓国語の~했어요の意外な使い方

「結婚しています(既婚です)」を결혼했어요と言ったり、大きな失敗をやらかした人に対して너 이제 죽었어(おまえ、もう死ぬぞ)と言ったりするように、現在の状態や未来の出来事について過去形を使うのはなぜでしょうか?

今の状態を表す過去形

過去を表す-았/었-は、「過去にある動作をした」ということを表す他に、「過去の動作による結果が現在に残っている」ことを表すことがあります。

類例に틀렸다(間違っている)や닮았다(似ている)、잘생겼다(イケメンだ)などがありますが、これらはどれも、過去に起きた何らかの出来事の結果、現在の状態がそうなっていることを表しています。

この-았/었-の意味は自動詞の結果状態を表す-아/어 있다(~している)と似ていますが、意味の違いがあるため言い換えられないものもあります。

上に挙げた例は、どれも-았/었-の形でしか使われません(例えば결혼해 있다と言うことはできません)。

韓国語では結果状態を表す「~している」に対応する-았/었-が多く使われますが、ここには日韓の言語の違いが表れているといえます。

手をあげているハナタス ハナタス

日本語では「〜している」がよく使われるけど、韓国語では~했다がよく使われるという違いがあるよ!

日韓の違い(「した」と「している」の使い分け)

日本語では出来事を目で見るなどして確認したり、認識したりしたときに限り「~した」が使えますが、出来事を確認していなければ「~している」と言うのが普通です。

例えば、窓が開く出来事を目撃したならば「窓が開いたよ」と言えますが、単に窓が開いている状態を見ただけなら「窓が開いているよ」と言うのが普通です。

一方韓国語では、出来事そのものを確認していなくても、結果だけ見てその出来事が想像できるならば-았/었-で言うことができます

そのため、窓が開いている状態を見て言う言葉は창문이 열렸어(窓が開いているよ)となります。

それに対して、出来事の想像がつかず、現在残されている結果物にのみ視点が向いている場合には-아/어 있다が使われます

例えば、誰も住んでいないはずの家の窓が開いているのを発見した場合は이상하네, 창문이 열려 있어(変だな、窓が開いているよ)と言うのが普通です。

否定形で使う場合

結果状態を表す-았/었-の用法は、否定形でも現れます。例えば「もうご飯を食べたか」という質問に対して答えるとき、日本語では「(まだ)食べていない」のように現在の状態を否定する形を取ります。

それに対して、韓国語では(아직) 안 먹었다のように過去の動作を否定する形を取りますが、それによって現在の状態を否定することになります。

右手を挙げるハナタス ハナタス

韓国語では、「まだ食べなかった」という言い方をするんだね!

未来の出来事を表す過去形

未来の出来事を表す너 이제 죽었어(おまえ、もう死ぬぞ)ですが、これは-았/었-の特殊な用法のうちの1つで、これから起きる出来事を断定的に表すものです。

この用法の他の例としては、너 내일 큰일 났어(おまえ、明日大変だぞ)のようなものがあります。この用法は広く用いられるものではありませんが、幾つかの用言で慣用的に用いられることが多いので覚えておきましょう。

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