多読学習法のコツ

韓国語学習が「勉強」から「楽しみ」に変わる!多読学習法のコツ

韓国語を習得するためには、程度や要領の差はあれど、一定量の韓国語に触れ、それを消化する必要があります。

また、上達のためには文法や語彙をしっかりと身に付ける必要がありますし、途中で放棄せずに学習を続けていくための興味や動機の維持も大事です。

「多読」学習法とは

多読学習法のメリット
多読学習法のメリット

このような「必要条件」をクリアし、結果として韓国語を上達させることができる方法があります。それが「多読」学習法です。

外国語学習における多読とは、言葉どおり、その言語で書かれた多くの文章を読むこと。しかもなるべく日本語の助けを借りずに読むということです。

これだけを聞くと、ハードルが高い、そもそもそれができないから勉強している、などと思う人がいるかもしれません。しかし、正しい方法で行えば、日本語の力を借りずに、次第に原語の本を読み理解できるようになります。

さらには日本語で読書をするかのように、韓国語で読書を楽しめるようになります。

多読学習法に取り組むと、日々の学習が「勉強」から「楽しみ」に変わり、結果として多くの韓国語に触れ実力が付くという、好循環が起きるのです。

多読学習の方法「多読三原則」

まず多読を行うに当たっては「多

読三原則」を基本とします。これは、外国語学習者に向けて多読を提案し、支援する活動を行っている「NPO多言語多読」が提唱しているものです。

多読三原則

  • 辞書を引かない
  • 分からないところは飛ばす
  • 進まなくなったらやめて他の本に移る

辞書を引かない

まず、辞書を引かずに韓国語の文章を読むという点からして、困難を感じるかもしれませんが、要は辞書を引かずに読める文章からスタートすればよいのです。

このサイトに来ている人であれば、韓国語能力ゼロの人は基本的にいないはずですから、例えば絵や写真をふんだんに使ったもの(視覚的な要素が文章の理解を助ける)や、限られた語彙・文法だけを使用した文章や作品から始めればよいのです。

分からないところは飛ばす

そして、読んでいて分からない単語に出合っても、原則として辞書を引かずに、飛ばして進みます。ストーリーのある文章であれば、類推しながら読み進めると、大体の流れを把握できることが多いはずです。

進まなくなったらやめて他の本に移る

それでもさっぱり分からない場合は、本のレベルが合っていないということなので、無理して読むのはやめ、他の本に乗り換えればよいのです。

多読学習は、最初の1冊が鍵!

多読学習法で大切なこと
多読学習法で大切なこと

韓国語で読み慣れていない人にとっては、最初の1冊が大きな壁のはずです。うまくいかず途中で挫折したとしても、何度も挑戦して、まずは最初の1冊を完読しましょう。

多くの学習者は、数年前まで韓国語の文字さえ知らなかった人たちです。それが、韓国語で書かれた1冊の本を読了できたということは、とてつもなく素晴らしいことですし、自身にも非常に大きな成果として感じられるのではないでしょうか。

この事実と、それによって得られる達成感は、次のチャレンジをする上で貴重な財産となるはずです。こうして何冊か続けるうちにだんだん慣れて、読むスピードも上がるはずです。

多読は日本語を介在させずに、韓国語の文章を理解するプロセスです。読了した本が増えたある日、韓国語を理解する力が付き、そして辞書を引いたわけでもないのに単語や文法表現が自分のものになっているのに気付くはずです。

読み「進める」ために必要に応じて辞書を引く

先ほど辞書は引かないと言いましたが、分からないから全体の理解に困難がある、分からないから先に進めないといった単語がある場合は、原則をストイックに厳守せずに、辞書を引くのも手です。

また、何度も登場してくるけれど分からない単語があるかもしれませんが、このような単語は調べるのもよいかもしれません(こうして調べた単語は後になっても忘れないものです)。

辞書を引くことが問題なのではなく、しょっちゅう辞書を引いて、読み「進める」ことに支障が出るのが問題なのです。

韓国語で書かれた韓国人向けの本が読めるようになると、学習成果はもちろんのこと、読むこと自体が楽しみに変わってきます。

多読に適した素材選び

多読学習法用の本の選び方
多読学習法用の本の選び方

先に述べたように、多読においては自分の興味やレベルに合った素材選びが重要です。まずは、韓国語の分量の少ない本から始めるのがよいのは言うまでもありません。

結果として同じページ数を読むなら、分量の多い本よりも、短めの本を何冊も読む方が、「続ける」という観点からも望ましいでしょう。

あえて本にこだわらず、定期的に更新されるネットの短めの記事を読み続けるのもいいと思います。朝鮮日報やハンギョレ新聞など、日韓両方の言葉で読める記事があります。

英語に関しては、学習者向けに語彙数を絞って書かれた、あるいは書き直された本が数多く出版されていますが、韓国語に関してはさほど多くありません。

ただし最近、日本国内でも韓国でも、学習者のための読み物が増えているので、期待したいところです。

ある程度の韓国語能力がある人なら、韓国人向けの原書を直接読むことにも挑戦してみましょう。

本選びの際には、興味のあるテーマ、内容であることはもちろん、その場で試しに数ページ読んでみて無理なく読み進められるか、1ページに知らない単語が10単語以内かなどで判断するとよいでしょう。

手に取ってみることができないのであれば、日本語版があったり、あらかじめ内容を知っていたりする本を選ぶのも一つの方法です。

ある程度読める人にとっては、実用書が漢字語語彙が多く推測しやすいので、意外に読みやすいかもしれません。

韓国の子ども向けの絵本は眺めるだけで楽しく、絵から得られる情報は、文章を読むことを助けてくれますが、韓国人の子どもにとっての易しさと、外国語として韓国語を学ぶ学習者にとっての易しさは必ずしも一致していないので、若干の注意が必要です。

また、日本の漫画の韓国語版も多読の素材として活用できます。

多読学習法プラスアルファ

ここでは多読にもう一工夫加えて、プラスアルファの効果を得るコツを見てみましょう。

読書の記録を付ける

読書の記録を付けると、モチベーション維持に役立ちます。日付、タイトルに加えて、読後感を韓国語で記すのも一つの手です。

読んだ本を再読する

苦労して読み終えた本を、一定期間空けた後で読んでみると、思いのほか楽に読み進められることがあります。実力の伸びを実感でき、さらには内容に関しても新たな発見が得られるかもしれません。

音読を組み合わせる

音読は理解した文章で行うことが原則。読んだ本の中でよさそうな部分を音読してみましょう。本が学習教材であれば、CD音声が付属していることがあるので、音読の手本になりますし、シャドーイングなどの練習にも使えます。

以上、多読のやり方について紹介してみましたが、「多読」というキーワードでネット検索を行うと、先に紹介したNPO法人をはじめ、多くの先生や学習者の方法や経験が紹介されており、ここで紹介した内容を含め、役立つ情報、そして示唆を得ることができます。

ぜひ自分なりの多読学習法の確立にお役立てください。

この記事が掲載されている書籍

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著者:hana編集部
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