巨大な力を持つ検察の立場から歴史を描く映画『ザ・キング』

巨大な力を持つ検察の立場から歴史を描く映画『ザ・キング』

警察、検察、財界の関係を刑事の立場から見つめた『부당거래(プダンゴレ)(生き残るための3つの取引)』(2010)、政財界とマスコミの癒着を描いた『내부자들(ネブジャドゥル)(インサイダーズ/内部者たち)』(2015)など、韓国では社会の裏側でうごめく人々の思惑を暴くような作品が多く作られてきた。今回紹介する『ザ・キング』は、「この国を動かしているのは俺たちだ」と自負し、まるで王のように尊大に振舞う検察官たちが主人公だ。

野心に満ちた若手検察官の軌跡

父親を逮捕した検察官の横暴な態度を見て「真に力を持っているのは彼らだ」と直感した高校生태수(テス)。猛勉強の末に検察官となるが、日常はさまつな事件の処理ばかりだった。

そんなある日、先輩検事동철(ドンチョル)に説得され、女子高生に対する性暴力事件を渋々もみ消した彼は、国を揺るがすような事件ばかりを担当するソウル地方検察庁戦略部の部長강식(ガンシク)の部下となる。

話題作の数々を手がけるハン・ジェリム監督

우아한 세계(ウアハン セゲ)(優雅な世界)』(2007)で組織暴力団、『관상(クァンサン)(観相師ーかんそうしー)』(2013)で王宮に生きる男たちを取り上げてきたハン・ジェリム(한재림)監督が「権力者たちの立場で韓国社会を見たらどう見えるか?」という発想から出発したという本作。

「力」を求めて検察官となった青年が、権力を欲しいままにしている男の右腕として頭角を現していく姿を、1990年代から2000年代にかけての政治史と重ねながらテンポよく描いていく。

ハン・ジェリム監督はその後、航空機を舞台にしたパニック映画『비상선언(ピサンソノン)(非常宣言)』(2022)や、格差社会の縮図のような過酷なゲームを描くドラマ『더 에이트 쇼(ト エイト ショ)(The 8 Show〜極限のマネーショー〜)』(2024)といった作品を手掛けている。

俳優たちの躍動感のある演技

テスを生き生きと演じているのは『모가디슈(モガディシュ)(モガディシュ)』(2021)の조인성(チョ・インソン)。そのほか、彼が憧れるガンシクに『아수라(アスラ)(アシュラ)』(2016)の정우성(チョン・ウソン) が扮している。また、先輩検事の배성우(ペ・ソンウ)と태수の友人役の류준열(リュ・ジュニョル)は、その後、『The 8 Show〜極限のマネーショー〜』でも共演している。

検事たちが自分たちの推す候補が当選するかどうかを一喜一憂しながら見守る大統領選挙、特に高卒という学歴で当選した盧武鉉大統領当選時の反応など、「実際にもそうだったのでは?」と思わせる描写の数々が興味深い。

また、ZAZAの「버스안에서(ポス アネソ)(バスの中で)」ほか、90 年代のヒット曲に合わせ、長い手足を駆使して歌い踊るチョ・インソンやチョン・ウソンの姿も楽しい。

原題:더 킹
邦題:ザ・キング
公開:(韓国)2017年1月18日 (日本)2018年3月10日
監督:한재림(ハン・ジェリム)
出演:チョ・インソン、チョン・ウソン、ペ・ソンウ、リュ・ジュニョル

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