教保文庫の4月のエッセイ月間ベスト10と注目の新刊情報をご紹介します。『殺人者の記憶法』で知られるキム・ヨンハと、ノーベル文学賞を受賞したハン・ガンのエッセイが発刊されて間もないにもかかわらず、それぞれ1位と2位にランクインしました。注目の新刊では、自閉スペクトラム症と診断された子どもの母親が書いた育児エッセイを紹介しています。
※ランキング記事ではハングルのルビを省略します。
記事の目次
- 教保文庫ベストセラー月間ベスト10(韓国語のエッセイ)
- 1位:『단 한 번의 삶(たった一度の人生)』
- 2位:『빛과 실(光と糸)』
- 3位:『어른의 행복은 조용하다(大人の幸せは静かだ)』
- 4位:『줬으면 그만이지 – 아름다운 부자 김장하 취재기(あげたなら、それで十分だ──美しい富豪キム・ジャンハ取材記)』
- 5位:『행복할 거야 이래도 되나 싶을 정도로(幸せになれるはず、不安になるほどに)』
- 6位:『소년과 두더지와 여우와 말(ぼく モグラ キツネ 馬)』
- 7位:『내가 한 말을 내가 오해하지 않기로 함(僕が言った言葉を僕が誤解しないようにすること)』
- 8位:『모든 걸음에는 이유가 있다(すべての歩みには理由がある)』
- 9位:『행복했으면 좋겠어 너에게는 늘 따스하고 예쁜 날들만 가득하기를(幸せでいてほしい。あなたの日々が、いつもあたたかくて美しいものでありますように。)』
- 10位:『마흔에 읽는 우화(『人生の道しるべになる 座右の寓話』韓国語訳版)』
- 注目の新刊
教保文庫ベストセラー月間ベスト10(韓国語のエッセイ)
1位:『단 한 번의 삶(たった一度の人生)』
김영하(キム・ヨンハ)著/복복서가(ボクボクソガ)刊/2025.04.06

김영하
殺人者の記憶法』(吉川凪訳/クオン)などで知られる著者による6年ぶりのエッセイが出版されました。有料のメールマガジン「ヨンハの天気」に配信されたものに大幅な修正を加えた14の文章では、家族の話など個人的な経験が語られています。「一度きりの人生」をどう生きるかについて著者のなりの答えが示されると同時に、読者に問いを投げかけます。
2位:『빛과 실(光と糸)』
한강(ハン・ガン)著/문학과지성사(文学と知性社)刊/2025.04.18

한강
2024年にノーベル文学賞を受賞した作家による新作が出版されました。授賞式で行った講演「光と糸」の原稿をはじめ、未発表の詩やエッセイ、日記など12の文章が写真とともに収められています。
3位:『어른의 행복은 조용하다(大人の幸せは静かだ)』
태수(テス)著/페이지2북스(ページ2ブックス)刊/2024.11.4

태수
4位:『줬으면 그만이지 – 아름다운 부자 김장하 취재기(あげたなら、それで十分だ──美しい富豪キム・ジャンハ取材記)』
김주완(キム・ジュワン)著/피플퍼워(ピープルパワー)刊/2023.01.01

김주완
漢方薬局の経営で稼いだお金を惜しみなく寄付し続けてきたキム・ジャンハ。本書は、記者である著者が取材を通して知ったキム・ジャンハの生き様をまとめたもので、奨学金や学校の設立、市民団体への寄付にまつわる話はもちろん、彼の哲学や人生観についても綴られています。4月4日、尹錫悦元大統領の弾劾審判で決定要旨を朗読したムン·ヒョンベ元憲法裁判官が「キム·ジャンハ奨学生」だったという事実が明らかになったことで、この本に注目が集まりました。
5位:『행복할 거야 이래도 되나 싶을 정도로(幸せになれるはず、不安になるほどに)』
일홍(イルホン)著/부크럼(ブックラム)刊/2024.7.29

일홍
6位:『소년과 두더지와 여우와 말(ぼく モグラ キツネ 馬)』
찰리 맥커시(チャーリー・マッケジー)著、이진경(イ・ジンギョン)訳/상상의힘(想像の力)刊/2020.4.20

찰리 맥커시、이진경
7位:『내가 한 말을 내가 오해하지 않기로 함(僕が言った言葉を僕が誤解しないようにすること)』
문상훈(ムン・サンフン)著/위너스북(ウィナーズブック)刊/2024.1.5

문상훈
8位:『모든 걸음에는 이유가 있다(すべての歩みには理由がある)』
김아영(キム・アヨン)著/북플레저(ブックプレジャー)/2025.3.19

김아영
9位:『행복했으면 좋겠어 너에게는 늘 따스하고 예쁜 날들만 가득하기를(幸せでいてほしい。あなたの日々が、いつもあたたかくて美しいものでありますように。)』
이보람(イ・ボラム)著/물결(ムルギョル)刊/2025.03.05

이보람
「小さなもののパワー」「感情の扱い方」「空白にする生き方」「くもりのち晴れ」の4つの章からなる本書は、焦らなくても人生の春は確実にやってくること、今の努力が人生の糧となって花を咲かせること、人より遅くなったとしても必ず芽は出ることなどを優しく語り掛けるエッセイです。
10位:『마흔에 읽는 우화(『人生の道しるべになる 座右の寓話』韓国語訳版)』
戸田 智弘著、오시연(オ・シヨン)訳/文芸春秋社刊/2025.02.28

문상훈
日本でベストセラーになった『人生の道しるべになる 座右の寓話』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の韓国語版が出版されました。イソップ物語から中国の古典にいたるまで、77の寓話を紹介しながら人生に役立つ知恵を伝えます。
注目の新刊
『발달은 느리고 마음은 바쁜 아이를 키웁니다(発達は遅くて感情の起伏が激しい子どもを育てています)』
정소연(チョン・ソヨン)著/온더페이지(オンザページ)/2025.05.14

정소연
小学校の教師で自身も3人の子どもを育てる母親である著者が、自閉スペクトラム症、ADHD、境界知能と診断された2番目の子を育てる中での出来事を綴った育児エッセイです。診断を受けた当初は奈落の底に突き落とされた気持ちになった著者でしたが、その後少しずつ子どもの特性を受け入れていきます。挫折と希望が交互にやってくる日常の中で抱くあらゆる感情が赤裸々に綴られています。
※この記事で紹介した書籍の購入は、「教保文庫、4月の月間ベストと注目の新刊(エッセイ)」の記事をご参照ください。
