韓国の2週間の出来事をピックアップして紹介するコーナー。今回は、1月24日から2月6日までの出来事から、以下の三つのニュースをご紹介します。
韓国の放送各社が公式YouTubeで提供するニュース動画もぜひご覧ください!
「黄色いシャツ」を歌った韓明淑さん逝去
1960年代の大ヒット曲「노오란 샤쓰의 사나이(黄色いシャツ)」を歌った한명숙(韓明淑)さんが、1月22日、89歳で亡くなりました。
韓明淑さんは1935年、평안남도(平安南道)の진남포(鎮南浦)で生まれ、1950年代に韓国駐留の米軍部隊で音楽活動を開始。61年、デビュー曲の「黄色いシャツ」が大ヒットし一躍スターになりました。韓さんが生前発表した曲は300以上に上ります。
韓さんが当時はまだ珍しかった海外公演を日本や東南アジア諸国で行ったことから、訃報を伝えた韓国のニュースの中には「한류스타 1호(韓流スター1号)」と記すものもありました。
カラオケボックスが一般的になる前、日本のスナックで韓国の歌といえばよく歌われていた曲の一つがこの「黄色いシャツ」でした。
この曲は1972年、浜村美智子によって日本語でカバーされ、77年には이성애(李成愛)のシングル「カスマプゲ」のB面にも収録されました。日本語カバーで「어쩐지(なぜか)」だけは「オッチョンジ」と韓国語の音を残したところが、日本でもヒットした要因かもしれません。そういえば、少女時代の日本語版「Gee」でも「진짜(チンチャ、本当に)」を残していますね。
華川ヤマメ祭りに186万人集まる
漢字で「山川魚」と書く산천어。全長は30cm前後で、体全体に細長い小判のような模様が並んでいるのが特徴です。日本で「山女」という漢字が当てられているヤマメですが、海に下った個体は大型化し、サクラマスと呼ばれます。
韓国でこのヤマメを地方の活性化に生かしたのが「화천 산천어 축제(華川ヤマメ祭り)」です。
강원도(江原道)춘천(春川)の北に位置し、人口は2万2千人に過ぎない華川郡ですが、今年は1月11日から2月2日までの23日間で、186万人の観光客を集めました。この数は、2003年にこの祭りが始まって以来最多となり、海外から12万人以上が訪れました。
目玉は何と言ってもヤマメ釣りです。凍った川に空けられた氷の穴から糸を垂らして釣ります。利用料は、1万5千ウォン(約1600円)で、5千ウォンの特産品引換券付きです。
「素人には釣れないんじゃないか」という心配はご無用、係の人が見回っていて、釣れていないと魚を穴に補充してくれます。ちなみに、ヤマメは全国各地の養殖場から集められ、今年は60万匹(180トン)放流されたそうです。
手づかみやルアー釣りもでき、釣った魚は、회센터(お刺身センター)で1匹当たり3000ウォン(320円)で刺身か塩焼きにしてくれます。
他にも、ソリやスケートなど、家族連れでも楽しめるさまざまな娯楽があり、華川ヤマメ祭りは韓国を代表する冬祭りになっています。
立春寒波が到来
2月3日は二十四節気で春の訪れを告げる「입춘(立春)」でした。しかし、今年の韓国では猛烈な寒波が到来し、4日のソウルの気温はマイナス11.5度、6日もマイナス11.8度を記録しました。
風も強かったため、体感温度はマイナス20度に達したといいます。さらには、比較的暖かい서해(黄海)を通過した寒気が西部を中心に雪を降らせました。
今回の寒波は、上空の기압골(気圧の谷)の影響によりシベリアの冷たい空気が朝鮮半島に流れ込んだもので、9日ごろまで続く見通しです。寒波が長引いているのは、太平洋からカムチャッカ半島にかけて기압능(気圧の尾根)が停滞していて、低気圧が西に抜けられないからだそうです。
ニュースチャンネルのYTNでは、お天気キャスターが屋外で凍った卵やタオル、ジーンズなどを見せて、いかに寒いかを視覚的にも伝えていました。
韓さんのニュース+α「韓国の冬には欠かせないアイテムは?」
3番目に取り上げたニュースに関するクイズです。韓国の冬に欠かせないものがあります。それは「패딩」。これは一体何でしょうか?
1プリン
2ダウンジャケット
3手袋
패딩は「詰め物(をすること)」を意味する英語のpaddingから来ていて、韓国では「ダウンジャケット」を指します。これは콩글리쉬(コングリッシュ、韓国的な英語)で、ダウンジャケットは英語ではdown jacket、padを生かして表現するならpadded jacketとなるそうです。ちなみに、롱패딩は長いダウンジャケット、つまりダウンコートのことで、紹介したニュース動画にも登場する韓国の冬定番のアウターです。
今回紹介したニュース、いかがだったでしょうか? 紹介したニュース動画はいずれも2分前後のものです。聞き取り練習にぜひ生かしてみてください。