※本記事は雑誌『韓国語学習ジャーナル hana』連載「Stage」掲載時の内容を転載したものです。掲載当時の情報に基づいており、最新の情報とは異なる場合があります。
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劇場が大好きで、演劇の街、大学路に行くとなぜか心落ち着く私キム・テイです。
記念すべき第1回目で皆さんにおすすめする舞台は「킬미나우(Kill me now/キルミーナウ)」。カナダの劇作家ブラッド・フレイザー(Brad Fraser)の最新作で、韓国では昨年(2016)の5月上演されて好評を博し、早くも再演が決まりました。
昨年の韓国初演では、演劇では珍しく全公演スタンディングオベーションだった作品で、俳優たちの演技が素晴らしいと、演劇ファンをとりこにした作品です。
「Kill me now/キルミーナウ」は、タイトルの通り重いテーマの作品です。障害、性、死といったテーマを扱った作品ですが、ただ重さだけを感じる作品ではありません。温かく、ユーモアにもあふれ、見ているときはそんなに重いテーマだとは気付かないけれど、見終わった後に心に重く響きます。私は観劇後、涙が止まらず、ポスターに書かれていた
나한텐 심각한 장애를 가진 아들이 있어. 나한테 나는 없어.
俺には深刻な障害を持つ息子がいる。俺に俺はない
태어나는 모든 아이는 완벽한 존재다.
生まれてくる全ての子は完璧な存在だ。
という言葉が改めて胸に響きました。
「Kill me now/キルミーナウ」の登場人物は5人。
生まれつき重度の障害を持つジョイ
元作家で、妻を亡くしてからは息子ジョイのために献身的に生きている父親のジェイク
そして精神障害を持つ友達のラウディ
ジェイクの妹トワイラとジェイクの恋人のロビン
電動車椅子に座り言葉もきちんと話せないジョイは、自分は子どもではなく一人の人として生きていきたいと願います。
ジョイの成長に戸惑いながらも父親としてどうするべきかを真剣に悩むジェイク。
互いを愛する父と息子ですが、息子はひそかに自立する計画を立て、父は息子に秘密にしている、長年の恋人がいます。
そんなジェイクが病気になり、物語は大きく動き始めます。
その後はネタバレになるので、劇場で。家族愛、生と死について考えられる作品です。
韓国語を勉強中の方がいきなりストレートプレイの観劇に挑戦するには勇気が必要ですが、韓国のお客さんと一緒に客席に座り、全神経を舞台に集中させて目の前の俳優さんの演技を見て、感動を共有していただきたいです。
【公演期間】2017年4月25日〜7月16日
【場所】忠武アートセンター中劇場ブラック
【価格】R席5万ウォン/S席 4万ウォン
【キャスト】ジェイク役:이석준 (イ・ソクチュン)/이승준 (イ・スンジュ
ン)、ジョイ役:윤나무 (ユン・ナム)/신성민 (シン・ソンミン)ほか

