※本記事は雑誌『韓国語学習ジャーナル hana』連載「Stage」掲載時の内容を転載したものです。掲載当時の情報に基づいており、最新の情報とは異なる場合があります。

今回、皆さまにおすすめしたい舞台は「백설공주를 사랑한 난장이(白雪姫に恋した小人)」という作品です。
初演が2001年のこの作品はミュージカルとしても作られましたが、久々に演劇として登場した昨年に続いて今年も大学路に登場します。
内容は「백설공주(白雪姫)」の物語をベースにしながら、난장이(小人)の一人が白雪姫に恋をするという話です。
7人の小人の中で末っ子である반달이(パンダリ)は背が一番小さく、体も弱く、口も利けません。なのでパンダリは白雪姫に会って一目ぼれをしますが好きだということをうまく伝えられません。
それでもパンダリは新しい王妃によって白雪姫が危機にさらされるたびに助けます。そして毒りんごを食べてしまった白雪姫を助けるために、弱った体で王子を探しに行くのです。
白雪姫はパンダリが探してくれた王子のキスで目覚め、童話の結末と同じく王子と結婚します。
ではこの作品の主人公であるパンダリはどうなるのでしょうか。ネタバレになってしまうので、ここでは言いません。ここで言えるのは最後はとても美しく、そして悲しいということです。
「어른을 울린 아동극(大人を泣かせた子ども劇)」と言われたこの作品、最初見たときは俳優の動き、面白い演出、童話の別の解釈に驚きましたが、何度もこの作品を見ていると、誰もが心に持っている純粋さ、そして心を響かせる愛に感動するようになりました。
日本でミュージカル「レ・ミゼラブル」を見たときに感動をしたのは、舞台よりも観客に対してでした。
おばあさんと孫が一緒に舞台を楽しむ姿、子どものとき見た舞台を親子で楽しむ姿、客席には積み重ねた思い出があり、そしてまた新しい思い出が生まれようとしていました。こんなふうに、何年たっても愛され続ける作品が韓国にもあってほしいと思いました。
「白雪姫に恋した小人」は、そんな世代を超えて愛される作品になれるような気がします。私も今年は息子빈이 (ビニ)と一緒に見に行こうと思います。
派手な演出はなく、人気俳優が出演しているわけではないですが、素朴で純粋なこの作品を見ると、心いっぱいに優しさがあふれるような気がします。
大人向けの舞台がお好きな方は客席にいる多くの子どもに驚くかもしれませんが、見ているうちに心の中の子どもが喜んで笑い、そして泣いて感動するのを感じられると思います。
【公演期間】2018年5月4日〜7月15日
【場所】 대학로 티오엠 1관 (大学路TOM1館)
【価格】全席4万5000ウォン(満7歳以上観覧可)


