キム・テイの韓国ミュージカル案内『그림자를 판 사나이(影を売った男)』

※本記事は雑誌『韓国語学習ジャーナル hana』連載「Stage」掲載時の内容を転載したものです。掲載当時の情報に基づいており、最新の情報とは異なる場合があります。

今回、皆さまにご紹介する舞台はミュージカル「 그림자를 판 사나이 (クリムジャルル パン サナイ)(影を売った男)」です。

ドイツの文学作家アーデルベルト・フォン・シャミッソーの『影をなくした男(ペーター・シュレミールの不思議な物語)』を原作としたオリジナルミュージカルです。

主人公페터 슐레밀(ペーター・シュレミール)は、グレーのスーツを着た男그레이맨(グレーマン)に自分の그림자 (クリムジャ) (影)を売り、その代わりに次から次へとお金が出てくる巾着袋をもらって、金持ちになります。

しかし、影がないということで人々から嫌がられ、人前に出るのが怖くなったペーター・シュレミールは、召し使いの벤델(ベンデル)を雇用します。影を取り戻そうとベンデルにグレーマンを探してくるように言いますが、ベンデルから伝え聞いた言葉は「グレーマンが1年後に会おうと言っている」ということ。

ベンデルと一緒に都市を出て旅をするペーター・シュレミール。旅先で初恋の人に会い、彼女のためにも影を取り戻そうとしますが、1年後に会ったグレーマンから別の提案をされます。「影を取り戻したいなら魂をくれ」と。 ペーター・シュレミールがどんな選択をするかは観劇をする皆さんのこれからの楽しみにとっておきたいと思います。

この作品、影の表現の仕方(俳優さんの動き、照明など)が面白いのですが、特に舞台美術が素晴らしいです。例えば迷路のような壁が舞台の天井から降りてくるのですが、天井に上がった状態も美しく、セットの下の面まで利用したデザインに驚きました。舞台美術が変わるたびに、あまりにも美しく、まるで立体的に動く不思議な絵本のページをめくっているような感じがしました。

俳優さんの演技も見どころです。特にグレーマンの演技は見ていて背筋が寒くなるような感じでした。グレーマンとベンデルは一人の役者が演じるんですが、その演じ分けが素晴らしく、「近くにいてもその存在に気付けない人間の愚かさ」がよく表現されていました。トリプルキャストなので、3人の演技を見比べるのも楽しいと思います。  

ポスターに書かれた言葉절망의 순간에 만난 가장 기이한 세계 (チョルマンエ スンガネ マンナン カジャン キイハン セゲ) (絶望の瞬間に出合った、最も奇異な世界)」のように、不思議な世界観を存分に楽しめる作品です。

【公演期間】〜2020年2月2日
【場所】弘益大 大学路アートセンター(大劇場)

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