韓国語の単語学習(5) レベル別の単語学習法と望ましい学習習慣

韓国語の単語学習(5) レベル別の単語学習法と望ましい学習習慣

語彙力は、韓国語のみならずあらゆる外国語学習の土台。しかしそのために単語の暗記は避けて通れません。学習時間を確保できない人や物忘れが増える年齢の人にとっても同じことです。この「単語問題」、一体どうすれば解決できるでしょうか?

前回の記事「韓国語の単語学習(4)どんな学習法があるのか」では、単語を覚えるための効果的な学習法について見てみました。

「各自の得意不得意をきちんと把握した上で、どう学習すればいいのか見極めて戦略を立てることで、単語学習は効率的に行うことができます」とおっしゃる柳本先生に、レベル別のおすすめ単語学習法について挙げていただきました。

レベルに合わせた単語学習パターン

初級レベル

まず、初級レベルの人が単語を覚えるときに気を付けること、効果的な方法は何でしょうか?

柳本大地プロフィール画像 柳本先生

初級レベルの人はまず、形と音をしっかりと定着させてください。単語カードを使ったり、書きながら発音したりして覚えることをおすすめします

さらに、日本語でなじみのない言葉などは、写真やイメージで覚えることで意味情報がはっきりするそうです。

中級レベル

次に、中級レベルの人向けの方法です。

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中級レベルの人には、文や文章といった「文脈」がある中で、単語を勉強することをすすめます。難しい単語ばかりあるものを読むのではなく、できれば知らない単語が少しずつ入っているような文や文章を選ぶのがいいですね。

コロケーション(単語と単語の組み合わせ=連語)で覚えることも有効とのことです。

上級レベル

最後に上級レベルの学習にもアドバイスをいただきました。

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上級レベルの人には、文章を読み進める中で単語を勉強することをおすすめします。特に、意味が1つでない単語については、こういうときにはどんな意味になるのかを文脈の中で捉えることで、知識の幅がもっと広がります!

学習習慣として望ましいこと

ここからは、単語を覚えるために望ましい環境をどうつくればいいのかについて見てみます。

忘れた単語を覚え直す

単語学習においては、常に反復して学習を行い、忘れた単語を覚え直すという工程が大事です。

また、一度覚えたつもりになって終わりにするのではなく、復習テストなどを行って忘れた単語を拾うなどの工夫も必要でしょう。

覚えた単語にまた出合う機会を多く作る

次に、「出合いを多く作る」ことを強調したいと思います。これは「多くの単語と出合う」ということではなく、「覚えた単語に実践で多く出合う」という意味です。

学び始めの段階では、例えば身の回りのものに、それを表す韓国語を書いた付箋を貼るというのも、1つの方法です。

なるべく多くの韓国語を聞き、読むということも大事でしょう。基本単語の類いは、消化する韓国語の量が多ければ多いほど、出合う回数が増えます。

覚えた韓国語の単語に実生活で出合い、その文の意味が分かるという経験を経ることによって、その知識は一層強固なものに変わっていくからです。

ボキャブラリーを増やすには意識的な学習が必要

単語の知識は自分の関心のある分野に偏りがちです。中級レベル以降で、さらにボキャブラリーを増やすためには、意識的な学習が必要です。

あえて幅広い分野の韓国語、そして単語に触れようとするのなら、検定試験へのチャレンジがバランスの取れた韓国語の語彙力を育てるきっかけとなるでしょう。

覚えた単語をとにかく声に出してみる

「アウトプット」の大事さについても強調したいと思います。例文を音読する、単語を声に出して覚えるといったこともアウトプットと言えますが、覚えた単語はとにかく使ってみようとする姿勢が大事です。柳本先生は次のようなアドバイスをくださいました。

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覚えるためのもう1つの手掛かりとして、『エピソード記憶』というものがあります。

これ自体は、これまで話してきた単語の意味記憶とは異なり、いつ、誰といたか、どんな場所だったかなど、自分が体験したことが一連のストーリーとして記憶されることで、一度覚えると忘れにくい特徴があります。

単語学習にこれを利用する一番の方法は『学んだ単語を使って、誰かに話す、文にすることで、自分の体験にしてしまう』ことです。

こうすることで、『検索』の手掛かりが増えるだけでなく、単語を覚えることがもっと楽しくなるはずです!

取材協力

柳本大地

柳本大地

学習院大学国際センター准教授

【 やなもとだいち 】

1983年神戸生まれ。広島大学大学院教育学研究科博士課程修了(教育学博士)。兵庫教育大学在学中に大邱教育大学へ1年間留学。大学卒業後、大邱外国語高校で日本語を教える傍ら大邱教育大学大学院で教育メディア開発を専攻。同大学初の外国人修士号取得者となる。これまで、韓国語・日本語教育に携わってきた。現在、学習院大学国際センター准教授。多文化共生・国際協働学習の科目を担当。認知心理学の観点から第二言語の記憶や理解過程に関する研究を行う。著書に『なりきり! 韓国語会話トレーニング』(HANA刊)、『실전 일본어 회화 플레이』(韓国・사람in刊)、『新一代大学日语教程』第二冊(中国・外语教学与研究出版社刊)がある。

この記事が掲載されている書籍

韓国語学習ジャーナルhana Vol. 30「このやり方で、単語を覚える!」
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著者:hana編集部
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