さっと5分で韓国ニュースをチェック! ニュースダイジェスト(2025年5月2日~5月15日)

韓国の2週間の出来事をピックアップして紹介するコーナー。今回は、5月2日から5月15日までの出来事から、以下の三つのニュースをご紹介します。

韓国の放送各社が公式YouTubeで提供するニュース動画もぜひご覧ください!

大統領選が公式にスタート

5月12日、第21代大統領選挙の選挙戦が公式に始まりました。この日より유세차(ユセチャ)(選挙カー)や현수막(ヒョンスマク)(垂れ幕)、拡声器を使った選挙運動が可能になります。

今回の大統領選挙に立候補したのは7人です。

世論調査で圧倒的にリードしているのが、革新系の野党「더불어민주당(トブロミンジュダン)(共に民主党)」の이재명(イジェミョン)(李在明)候補。与党が前大統領の罷免というマイナスからのスタートである上に、保守系候補の一本化協議で混乱したため、李在明候補は余裕を持って選挙戦を戦える見通しです。

李候補は、10大公約の1番目にAI分野への集中投資を挙げるなど、経済成長を掲げています。

保守系の与党「국민의힘(クンミネヒム)(国民の力)」から出馬したのは、김문수(キムムンス)(金文洙)前雇用労働相です。金候補は1980年代には労働運動家として活動するも、政治の世界に入り保守に転じた経歴の持ち主です。

金候補が10大公約の1番に掲げているのは、民間が主導する経済成長です。

国民の力の候補者選びの過程では混乱がありました。予備選を通じて金氏が選ばれたのにもかかわらず、大統領権限代行を務める한덕수(ハンドクス)(韓悳洙)前首相が無所属候補として出馬の意を示すと、韓氏の知名度を頼りに両者の一本化協議を画策しましました。

しかしこれが決裂したため、いったんは候補となった金氏の公認を取り消し、韓氏を候補に据えるという強引な手段に打って出ました。ところがこの交代が党員投票で否決されたため、金氏が公認候補として復活したのでした。

今回の大統領選挙戦は、この二大政党の候補者を中心に展開されそうですが、ここに割って入りそうなのが、立候補者の中で最も若い、개혁신당(ケヒョクシンダン)(改革新党)の이준석(イジュンソク)(李俊錫)候補です。李俊錫候補は前回の大統領選を「国民の力」の党代表として戦い尹政権を誕生させた立役者でもありました。

李候補は若い保守を標榜し、10大公約の1番に「小さな政府」を掲げます。

保守票を金文洙候補と李俊錫候補で奪い合うようなことになれば、李在明候補にはさらに追い風になりそうです。

今日から公式選挙戦…「三つ巴」の様相(2025.05.12 / MBC)

国民の半分が「長期的鬱憤状態」

韓国国民の半分以上が「장기적 울분(チャンギジョク ウルブン)(長期的鬱憤)状態」にあるとの調査結果が発表されました。

これはソウル大学保健大学院の教育研究チームが全国の満18歳以上の男女1500人を対象に先月実施した調査によるものです。

この調査を担当した専門家によると、「鬱憤」というのは、「生活の中で、これは正しくない、公正でないと感じたり、ひどい扱いを受けたりしたことなどによって、怒り、裏切り、欲求不満、侮辱のような感情が重なり、ストレスを引き起こした相手や物事に対して感情的にストレス反応をすること」をいうそうです。

調査結果によると、メンタルヘルスの状態が「良くない」と答えた割合は48.1%に上り、その原因としては「競争と成果を重視する社会的雰囲気」が37.0%で最も多くを占めました。

「鬱憤」が深刻な人の割合を世代別によると、30代が最も高く、収入が低い人ほど高い結果が見られたといいます。

また、社会が公正でないと答えた割合は69.5%に上り、公正に対する信頼がないほど「鬱憤」の程度も深刻になる相関関係が見られたそうです。

国民の半数が「鬱憤状態」…「韓国社会は不公平」(2025.05.08 / EBS)

朴正熙暗殺事件、45年ぶりに再審決定

1979年10月26日、時の大統領박정희(パクチョンヒ)(朴正熙)が大統領警護室長の차지철(チャジチョル)(車智澈)と共に、側近で中央情報部部長の김재규(キムジェギュ)(金載圭)に射殺されるという事件が起きました。この事件は、韓国では10·26 사건(シビユク サコン)(10.26事件)と呼ばれています。

金載圭は翌日逮捕され、翌年5月に軍法会議で内乱目的殺人及び内乱未遂罪で死刑判決を受けた後、絞首刑に処されました。

5月13日、45年ぶりにこの事件の刑事裁判の再審が行われることが決まりました。これは2020年に金載圭の遺族が出した再審請求が認められたもので、検察が不服を申し立てましたが、대법원(テボボォン)(大法院。最高裁に相当)が却下したことで確定しました。

当時、金載圭が戒厳司令部で捜査を受ける中で、拷問や暴行を受けた形跡があることが、再審が認められた理由です。

金載圭は当時、民主化を抑圧する朴正熙に嫌気がさし射殺したと犯行理由を述べていましたが、実際には側近である車智澈警護室長との権力争いによって起きたという説、米国が介入して起きたとする陰謀説など、さまざまな噂がありました。

さらには、現場となったのが「안가(アンガ)(隠れ家。〈安家〉)」と呼ばれる諜報機関が利用する一般家屋であり、その場に当時人気のあった女性歌手の심수봉(シムスボン)(沈守峰)がいたこと、시바스리갈(シバスリガル)(シーバスリーガル)の瓶があったことなど、人々の想像をかき立てる材料もあり、事件は映画やドラマにも取り上げられ、暗殺の状況が再現されることにもなりました。

45年ぶりに金載圭の再審が開かれる…大法院、検察の再抗告棄却(2025.05.13 / YTN)

韓さんのニュース+α「大統領選挙に投票できるのは何歳から?」

1番目に取り上げたニュースに関するクイズです。韓国で大統領選挙に投票できる年齢は18歳からです。では、大統領選に出馬できるのは何歳からでしょうか?

118歳
225歳
340歳

答えを見るには右の「+」をクリック!
正解:3 40歳

大統領選の被選挙権があるのは、国内に5年以上居住する40歳以上の国民と定められています。ちなみに、国会議員の被選挙権は2022年に改正される前は25歳でしたが、改正後は18歳以上になっています。

今回紹介したニュース、いかがだったでしょうか? 紹介したニュース動画はいずれも2分前後のものです。聞き取り練習にぜひ生かしてみてください。

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