韓国語では이북식(以北式)と言われる北朝鮮式の삼계탕(参鶏湯)が大人気の무구옥(無垢屋)。日本人の口によく合う淡泊ながら濃厚な닭(鶏)のスープはクセになる旨さで、参鶏湯の新たな魅力を発信しています。今までは경복궁(景福宮)近くの1号店のみでしたが、9月23日、ホットタウンの성수(聖水)にもオープン! どこよりも早くリポートします。
一度食べたら虜に! 無垢屋でしか食べられない逸品
北朝鮮式の料理が味わえる食堂がじわじわと増えている서울(ソウル)。 평양냉면(平壌冷麺)や만두(マンドゥ)が食べられる食堂は市内にも点在していますが、無垢屋の参鶏湯は唯一無二。今まで出合ったことのない味で、韓国人にも話題です。

看板メニューの北朝鮮式の삼계백반(参鶏白飯/1万8000ウォン)。ランチタイムは多くの人がこのメニューを頼みます。鶏肉とスープが別々にサーブされるので、まずはスープをひと口。とはいえ、鶏の出汁がギュッと詰まっていて、ひと口では止められないおいしさ。まったく辛くないので、辛いものが苦手な人にもおすすめです。
そして、食べやすいように割かれている鶏肉はホロッホロにやわらかく、부추(ニラ)と一緒に薬味につけて食べると至福の味に。
基本の소금(塩)もいいですが、마늘(ニンニク)や대추(ナツメ)などを入れて煮込んだ自家製の韓方医学醤油も独特で美味。
写真の右上にある、緑色の대파(長ネギ)と생강(ショウガ)のソースもたまらなくおいしいです。

鶏のスープを味わった後は、味変で산삼배양근(山参培養根)という名の高麗人参のような薬味とニンニク、후추(胡椒)を入れて食べるのもGOOD! いっきに韓国らしさが増します。そして、ご飯を入れて국밥(クッパ)にして食べるのも乙。いろいろな食べ方ができるので、量はありますがペロリといけます。ちなみに、スープはプラス6000ウォンでおかわりもOK。

깍두기(大根キムチ)や제주(済州)の보리(麦)を使った물김치(水キムチ)は発酵加減が絶妙でご飯が進む味。辛さも控えめです。平壌冷麺もそうですが、북한(北朝鮮)の料理は全般的にマイルドで、やさしい味付けのものが多いですね。

毎日お店でじっくり煮込まれている鶏のスープは、 경기무형유산(京畿無形遺産)に登録されている안성(安城)の窯を使用するこだわりよう。トロッとしたスープはまるでラーメンのようですが、ラーメンよりも油っぽさがないのが魅力です。

50席ほどの店内。11時半のオープン前から韓国のお客さんが並んで待っていました。オープンして間もないため、まだ外国のお客さんは見当たらず、現地の人ばかり。

カウンター席があるのでおひとり様でも安心。外を眺めながら自分のペースで食事ができます。

日本語メニューにはタッカンマリとありますが、韓国語では参鶏白飯となります。そのほか、매운닭찜청국(辛い蒸し鶏)や닭도리탕(清麹チムタク)なども。
タットリタンと찜닭(チムタク)が同じ料理なのか?など、日本語への翻訳は若干気になります……。

場所は아모레 성수(アモーレ聖水)のすぐ近く。ウェイティングは「캐치테이블(キャッチテーブル)」を採用する予定だとか。
무구옥 성수 無垢屋 聖水
서울특별시 성동구 아차산로11길 11
電話:なし
営業時間:11:30~15:00(LO14:00)、17:30~21:00(LO20:00)
定休日:なし
www.instagram.com/muguok_seoul
景福宮近くの安国店は韓屋を生かした造り
無垢屋の1号店がオープンしたのは2025年1月のこと。まだ1年も経っていませんが、たちまち찐맛집(真のおいしいお店)の仲間入りをしました。こちらは築70年の韓屋を再生した趣のあるスタイルで、안국(安国)エリアにぴったり。場所柄、外国人も多いので安国店はウェイティング必至です。

마당(中庭)だった場所には白い屋根が設けられ、明るい店内。聖水店よりは席数が少なめです。

観光で行く場所によって安国店に行くか、聖水店に行くか。選択肢が増えて何より。ここでしか食べられない北朝鮮式の参鶏湯、ぜひご賞味ください。
무구옥 안국 無垢屋 安国
서울특별시 종로구 율곡로1길 7
電話:0507-1431-1812
営業時間:11:30~15:00(LO14:00)、17:30~21:00(LO20:00)
無休(10/6のみ秋夕のため休み)
