書籍内容紹介(出版社)
本書は、孤立を恐れず正義を追求し、組織内部から声を上げ続けた、現職検察官である著者の決意と苦闘の記録である。
著者は、民主化以前の人権弾圧事件の再審公判において、検察の方針に反し「無罪」を求刑し、懲戒処分を受け、人事上不利益を被ったが、それにも屈せず組織と対峙し続けた。また検察内部の不正やセクハラを告発したり、関係する検察幹部を刑事告発したりするなど、正義を追求した。
その姿勢は国民の支持を集め、検事総長候補にまで推された。
隣国の現実は、日本の司法や私たち自身の社会に対しても鋭い問いを投げかける。
目次
訳者はしがき
プロローグ―日本の読者の皆様へ
第一部 乱中日記
光州・仁和学校の「トガニ」(2011)
公判検事の誓い(2012)
⺠⻘学連関連事件公判所感(2012)
論告⽂に対する考え(2012)
懲戒請願(2012)
懲戒の感想(2013)
懲戒取消訴訟経過1(2014)
懲戒取消訴訟経過2(2014)
懲戒取消訴訟経過3 (2017)
検事が何かをもう⼀度尋ねます。(2017)
辞表受理について釈明を要請します。(2014)
復職の挨拶(2016)
報道「検察、過去の⼈権侵害事件について職権で再審請求」に接して(2017)
検察改⾰のための苦⾔(2018)
過去事再審事件対応マニュアル紹介(2022)
第二部 私は弾劾する(J’Accuse…!)
I Can Speak 1(2019)
私は弾劾する(2019)
嘘も⾒えます(2019)
赦されざる者たち(2019)
懺悔録(2019)
検察哀歌(2019)
次期検察総⻑に望む (2019)
私たちを信じないでください。(2019)
ブラックリスト(2019)
I Can Speak 2 (2020)
マスメディアに聞く(2020)
公正な秤を夢⾒て(2020)
街⾓で(2020)
「私は弾劾する(J’Accuse…!)」検察による事件ねつ造疑惑の真実を求めて
エピローグ――私の道はまだ終わっていません
訳者解説―韓国における検察制度論・検察官論と検察改革の現在
プロフィール
著者 イム・ウンジョン
1974年7月14日慶尚北道浦項市(出生当時の地名は迎日郡)生まれ。 ソウル東部地方検察庁検事長(日本の検事正に相当)。 1998年司法試験40回に合格し(司法研修院30期)、1999年高麗大学校法科大学(日本の法学部に相当)を卒業した。 2001年に仁川地方検察庁検事に任官した後、大邱地方検察庁慶州支庁、釜山地方検察庁、光州地方検察庁、法務部(法務審議官室)、ソウル中央地方検察庁、昌原地方検察庁、議政府地方検察庁、ソウル北部地方検察庁、清州地方検察庁忠州支庁、蔚山地方検察庁、大検察庁、法務部(監察担当官室)、大邱地方検察庁、大田地方検察庁を経て、2025年7月より現職(2025年7月現在)。この間、同年6月に、李在明政権で国政企画委員会専門委員(政治行政分科)に任命され、大統領の諮問に応じて検察改革を担当した。
訳者 安部祥太
Part1、Part2「再審制度」「再審制度の問題点」 、Part3「韓国の再審制度」
1987年東京都生まれ。関西学院大学法学部准教授、博士(法学)。専門は、刑事訴訟法、刑事政策、韓国刑事法。誤判・冤罪や再審手続と関連して、日本弁護士連合会再審法改正実現本部外部研究者委員、龍谷大学刑事司法・誤判救済研究センター客員研究員、「イノセンス・プロジェクト・ジャパン」メンバーを務める。関連業績に、「韓国における検察改革と再審事件の検証」法学セミナー775号(2019年)7頁以下、「再審開始決定に対する検察官抗告に関する予備的検討」青山法学論集61巻2号(2019年)53頁以下、「韓国における検察官の誤判・冤罪に対する姿勢」季刊刑事弁護103号(2020年)79頁以下、日本弁護士連合会人権擁護委員会編『21世紀の再審』(日本評論社、2021年)336頁以下共編著『見直そう!再審のルール』(現代人文社、2023年) などがある。
とんそく子のひとこと感想
とんそく子読む手が重くなる章もありますが、児童性暴力事件、悪質コメント事件、スパイでっちあげ事件など、多岐にわたる事案が真摯に記されていて胸が締めつけられます。
それでも、イム・ウンジョンさんのように国民のために真正面から闘い続ける検事がいる──その事実に救われる思いがしました。静かな勇気と覚悟に触れられる一冊です。
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