2011年の韓国を重要ニュースで振り返る

2011年の韓国を重要ニュースで振り返る

皆さん、2011年がどんな年だったか覚えていますか? 韓国で2011年に起こった出来事を重要ニュースで振り返ります。

7月:中部集中豪雨、牛眠山で土砂崩れ

중부 집중 호우, 우면산 산사태

7月下旬、1日300mmを超える豪雨が서울(ソウル)を襲った。そのため、ソウルの地下鉄駅や主要道路が水に漬かり交通網がまひした。

우면산(ウミョンサン)(牛眠山)は한강(ハンガン)(漢江)以南の서초구(ソチョグ)(瑞草区)にある山だが、この豪雨により土砂崩れを起こし、16人の死者を出す惨事となった。この惨事は、韓国で土砂崩れによる代表的な被害の事例としてよく挙げられる。

9月:映画『トガニ 幼き瞳の告発』、世の中を変える

영화 ‘도가니’ 세상을 바꾸다

9月に封切られた、作家공지영(コンジヨン)(孔枝泳)の同名の小説を原作に作られた映画『도가니(トガニ)(トガニ 幼き瞳の告発)』。2000年から2004年にかけて、ある聴覚障害者福祉施設で起きた、校長や教師らによる常習的な性的暴行事件が元になっている。

2005年に事件が明らかになったものの、加害者らはいずれも軽い刑に処されていたが、この映画のヒットにより、加害者に厳罰を求める声が上がり、1カ月後には障害者や13歳未満の児童に対する性的暴行の厳罰化を盛り込んだいわゆる도가니법(トガニボプ)(トガニ法)が国会をスピード通過した。

10月:朴元淳、ソウル市長に当選

박원순, 서울 시장 당선

10月に行われたソウル市長補欠選挙では、弁護士で市民団体出身の박원순(パクウォンスン)(朴元淳)候補が勝利した。

この年の8月、ソウル市では小中学生に対し無償給食を実施するに当たり、所得制限を設けるかどうかを問う市民投票が行われた。

しかし、教室内で所得格差が表面化すると反発する市民らがボイコットしたため、市民投票は無効となり、当時の오세훈(オセフン)(呉世勲)ソウル市長が辞任していた。

朴候補が市長になったことにより、給食の無償化が即座に実施され、現在は高校生も対象となっている。

11月:韓米FTA批准案が国会を通過

한미 FTA 비준안 국회 통과

韓国と米国との間で結ばれる自由貿易協定(FTA)の批准案はこの年の11月、紆余(うよ)曲折の末に国会を通過した。

貿易依存度が高い韓国は各国との貿易協定締結に力を入れてきたが、農業や国際競争で後れを取っている分野では淘汰(とうた)されるとの危機感があり、反対の声も上がっていた。

12月:総合編成・新規報道チャンネル、放送を開始

종편·신규 보도채널 방송 개시

12月1日には、이명박(イミョンバク)(李明博)政権が推進してきたメディア法の改定により誕生した放送局が放送を開始した。正式名称は종합편성방송채널(チョンハプピョンソンバンソンチェノル)(総合編成放送チャンネル)、略して종편(チョンピョン)(総編)と呼ばれる。

これは衛星やケーブルを通して放送するもので、ニュースやスポーツなどの1分野に限らず、多様なコンテンツを放送できるのが特徴。

しかし、選定された放送局は조선일보(チョソニルボ)(朝鮮日報)や중앙일보(チュンアンイルボ)(中央日報)、동아일보(トンアイルボ)(東亜日報)などの保守系新聞社が母体であることから、政権によるメディアコントロールとの非難が上がった。

この記事が掲載されている書籍

韓国語学習ジャーナルhana Vol. 34「韓国の2010年代を振り返る!」
韓国語学習ジャーナルhana Vol. 34「韓国の2010年代を振り返る!」
著者:hana編集部
価格:1490円(本体1355円+税10%)
SHARE

韓国語講座を探すLesson