2010年代(2010〜2019年)の韓国では何が起き何が変わったのでしょうか。こちらの記事では2010年代のK-POPを振り返ります。
2010年代より前から海外を視野に
![Wonder Girls 3rd Single "The Wonder Years - Trilogy"](https://www.hanatas.jp/wp-content/uploads/2023/10/wondergirls_nobody.png)
![소녀시개 The 1st Mini Album "Gee"](https://www.hanatas.jp/wp-content/uploads/2023/10/soshi_gee.png)
![](https://www.hanatas.jp/wp-content/uploads/2023/10/kara_prittygirl.png)
2010年代(2010〜2019年)より少し前、2007年にWonder Girls、소녀시대(少女時代)、KARAがデビューしたことで韓国では2008年以降、ガールズ・グループ・ブームが巻き起こるが、この波が韓流ブームに乗って日本にも波及。
신화(神話)や동방신기(東方神起)、BIGBANGたちの後輩に当たる世代によるK-POPブームとして、続々と日本に上陸した。
![신화 6th Album "너의 결혼식"](https://www.hanatas.jp/wp-content/uploads/2023/10/shinhwa_wedding.png)
![동방신기 The 2nd Album "Rising Sun"](https://www.hanatas.jp/wp-content/uploads/2023/10/tvxq_risingsun.png)
![BIGBANG The Best of BIGBANG 2006-2014](https://www.hanatas.jp/wp-content/uploads/2023/10/bigbang_best.png)
もともと韓国の音楽市場は規模が小さいこともあり、2010年以降にデビューしたグループのほとんどは、デビュー前から海外活動を見越して企画された。
2PMの닉쿤(ニックン)やf(x)の엠버(アンバー)、빅토리아(ビクトリア)など韓国系以外のメンバーが増え、またデビュー前からすでに数カ国でのデビューが決まっていたZE:Aのようなグループも増えた。
日本でデビューするK-POPグループが増えるにつれ、イベントも多様化。
東京湾の豪華クルーズで日本デビュー発表を行ったBOYFRIENDや、東京ビッグサイトに本物のトラとライオンを登場させたBEASTなど、趣向を凝らしたイベントは話題を呼んだ。
![BOYFEIND Mini 2nd Album "Obsession"](https://www.hanatas.jp/wp-content/uploads/2023/10/boyfriend.png)
![BEAST THE 3rd ALBUM "Highlight"](https://www.hanatas.jp/wp-content/uploads/2023/10/b2st_1st.png)
![EXO Japan Digital 3rd Single "BIRD (THE BEST Ver.)"](https://www.hanatas.jp/wp-content/uploads/2023/10/exo_japan.png)
日本におけるK-POPが単なるブームから文化へと定着した一方、2012年デビューのEXOは中華メンバーを含めた構成で12人のグループをK(韓国)とM(中国)に分けて活動させるスタイルを展開。中国進出への足掛かりとした。
翌年にデビューしたBTS(방탄소년단<防弾少年団>)は2018年に米国のビルボード200で初登場1位を記録。これまでK-POPが超えられなかった欧米圏の壁を突破した。
![BTS(방탄소년단) The Japan Best Album "THE BEST OF 防弾少年団
-JAPAN EDITION-"](https://www.hanatas.jp/wp-content/uploads/2023/10/bts_best_jp.png)
![SuperM Digital Single"Let’s Go Everywhere"](https://www.hanatas.jp/wp-content/uploads/2023/10/superm_kal.png)
BTSの活躍によりK-POPに目を向けた米国音楽市場がSM엔터테인먼트(SMエンタテインメント)と手を組み、SM所属アーティストの中でもよりすぐりのメンバーで構成されたSuperMを結成。ビルボードの八つのチャートで1位を獲得する活躍を見せている。
3大事務所の時代から、群雄割拠の時代へ
![H.O.T. Greatest H.O.T. Hits-Song Collection Live Album](https://www.hanatas.jp/wp-content/uploads/2023/10/hot_live-150x150.png)
![SECHSKIES 1st Album "학원별곡"](https://www.hanatas.jp/wp-content/uploads/2023/10/SECHSKIES_1st.png)
H.O.T.とSECHSKIESの時代から続いたSMとDSPの2大事務所時代は次第にSM、YG、JYPの3大事務所時代へと変化。
それぞれ東方神起、BIGBANG、2PMとボーイズ・グループで勢いをつけた後、2008年以降のガールズ旋風を作り出した。
![miss A 3rd Mini Album "Colors"](https://www.hanatas.jp/wp-content/uploads/2023/10/missa_colors.png)
![2NE1 1st Digital Single "Fire"](https://www.hanatas.jp/wp-content/uploads/2023/10/2ne1_fire.png)
![2PM The 1st Album "1:59PM"](https://www.hanatas.jp/wp-content/uploads/2023/10/2pm_1st.png)
JYPのWonder Girlsは米国へ、そしてSMの少女時代が日本デビューした2010年、JYPからmiss Aがデビュー。またこの年のMAMA1ではYGの2NE1が今年の歌手賞を受賞するなど時代をけん引した。
2012年には1月にB.A.P、3月にNU’EST、4月にEXO、5月にVIXXと大型新人のデビューが続き、アイドル群雄割拠の時代が到来。
![B.A.P 5th Single Album "PUT'EM UP"](https://www.hanatas.jp/wp-content/uploads/2023/10/bap_4th.png)
![NU’EST 1st Single Album "FACE"](https://www.hanatas.jp/wp-content/uploads/2023/10/NUEST_face.png)
![VIXX 1st Single "SUPER HERO"](https://www.hanatas.jp/wp-content/uploads/2023/10/VIXX_1st.png)
EXOは翌年のMAMAで大賞ともいえる今年のアルバム賞を受賞したが、彼らですらもデビュー当時は人気が出るまで時間を要するほどだった。
![WINNER Japan 3rd Album "EVERYD4Y"](https://www.hanatas.jp/wp-content/uploads/2023/10/WINNER_jp.png)
![Red Velvet The 2nd Single "Be Natural"](https://www.hanatas.jp/wp-content/uploads/2023/10/RedVelvet_2nd.png)
![iKON 3RD FULL ALBUM "TAKE OFF"](https://www.hanatas.jp/wp-content/uploads/2023/10/iKON_3rd.png)
2014年にWINNERとRed Velvet、2015年にiKONとTWICE、2016年にBLACKPINKと3大事務所からデビューが続く一方、2013年にはBig HitからBTSが、2015年にはPLEDISからSEVENTEENがデビューし、人気に。
![TWICE The 1st Album "Twicetagram"](https://www.hanatas.jp/wp-content/uploads/2023/10/TWICE_1st.png)
![BLACKPINK "THE ALBUM -JP Ver.-"](https://www.hanatas.jp/wp-content/uploads/2023/10/BLACKPINK_jp.png)
![SEVENTEEN 3rd Album "An Ode"](https://www.hanatas.jp/wp-content/uploads/2023/10/SEVENTEEN_3rd.png)
この2組はメンバーが作詞作曲、振り付けを作るなど、楽曲やパフォーマンスといったクリエーティブ面に「参加」するのではなく「担う」という点でも共通している。
そして今、さらに増加し、細分化されたグループの一つひとつを挙げることが不可能なほど、K-POPグループは増え続けている。
この2010年代は3大事務所以外からデビューしたグループが増えるとともに、生き残りを懸けた戦いはさらに熾烈になった10年だったとも言える。
オーディション番組発歌手の台頭
もう一つ、特徴的な変化はオーディション番組。「슈퍼스타K(スーパースターK)」(2009年~)、「K팝스타(K-POPスター)」(2011 年~)といった、事務所に所属しない歌手志望者を集めたオーディション番組と並行して、事務所が主導して行うサバイバル番組が誕生。
![서인국 1st Mini Album '부른다'](https://www.hanatas.jp/wp-content/uploads/2023/10/seoinguk_1st.png)
서인국 1st Mini Album “부른다”
BIGBANGをはじめWINNERやTWICEなど、サバイバル番組を経て誕生したグループは枚挙にいとまがない。
サバイバル番組はデビュー前に練習生たちをテレビ露出をさせることでデビュー後にも人気を獲得しやすいというのが主な利点だったが、一方で、アイドル育成プロセスをのぞき見ることができる、というのも人気の要因の一つだった。
これまでのK-POPではアイドルとは完成された状態でデビューするのが当たり前で、不完全な過程を見せることを良しとしていなかったが、サバイバル番組の人気で徐々に変化。
2016年に放送がスタートした「PRODUCE 101」(通称프듀)シリーズの誕生へとつながっていく。
実際に自分が投じた1票で練習生たちの命運が決まる面白さで韓国のみならずアジアで人気のコンテンツへと成長したが、得票数を番組側が操作していたとして、プロデューサーが逮捕された。それにより同番組から誕生したIZ*ONEは活動の一時中断、X1は解散を余儀なくされた。
![IZ*ONE The 1st Mini Album "COLOR*IZ"](https://www.hanatas.jp/wp-content/uploads/2023/10/IZONE_1st.png)
韓国で誕生したK-POPカルチャーが日本へ、アジアへ、そして世界へと羽ばたいていった2010年代。次なる10年にはどんな飛躍を見せるのか、期待したい。
- MAMA=Mnet Asian Music Awards ↩︎
この記事が掲載されている書籍
![韓国語学習ジャーナルhana Vol. 34「韓国の2010年代を振り返る!」](https://www.hanatas.jp/wp-content/uploads/2023/11/hana34.jpg)
価格:1490円(本体1355円+税10%)