※本記事は雑誌『韓国語学習ジャーナル hana』連載「Stage」掲載時の内容を転載したものです。掲載当時の情報に基づいており、最新の情報とは異なる場合があります。

今回皆さまにご紹介する作品はミュージカル「베토벤(ベートーヴェン)」です。
日本でも有名なミュージカル「엘리자벳(エリザベート)」「모차르트!(モーツァルト!)」「레베카(レベッカ)」など世界的な作品を作り出した劇作家미하엘쿤체 (ミヒャエル・クンツェ)さんと作曲家실베스터 르베이(シルヴェスター・リーヴァイ)さんの新作ということで前評判が高かった作品です。
作品の制作期間は7年ですが、最初に構想が練られてからは実に11年の歳月を経てお披露目されることとなりました。
一つの作品が世の中に出てくるまでどれほど多くの時間と努力があったのかと思うと、客席で舞台を見るときに、少しでも多くの音を、せりふを、歌を心に残したくなります。
この作品はベートーヴェンの生涯を描いたのではなく、1810〜12年の彼の人生を背景に、天才的な音楽家として地位を確立しながらも徐々に聴力を失っていくベートーヴェンを描いています。
音楽家としては死にも等しい苦痛を抱えながらも、안토니(アントニー)という女性に出会って恋に落ち、そして悲しい別れをするベートーヴェンの愛、彼の音楽家としての人生の後期を描いています。
ベートーヴェンを語るのにやはり彼の音楽なしでは語れません。この作品に登場する52のナンバーは全てベートーヴェンの音楽を基盤として作られていますが、楽器ではなく人の歌声でその美しい音楽が聴けるのもこの作品の魅力。
ベートーヴェンを演じる박효신(パク・ヒョシン)さん、박은태(パク・ウンテ)さん、카이(カイ)さんの歌声は、人の声がいかに美しいのかを教えてくれます。
3人が演じるベートーヴェンもそれぞれ個性豊かで、その違いを見るのも楽しみの一つだと思います。
舞台美術もベートーヴェンの心の壁を表すかのようなセット、その壁がなくなり心が旅をするかのような場面転換、舞台の上から降りてくるプラハのカレル橋、 ベートーヴェンを語る上で欠かすことができないピアノまで、圧巻です。
舞台を見終わった後にベートーヴェンの作曲した音楽を聞くと、舞台のさまざまなシーンや、 ベートーヴェンを演じた俳優たちの表情が浮かんできます。
初演作品を見る時は、完成に至るまでの時間に思いをはせ、またこれから再演を重ねるごとに作品がどう成長し、変わっていくのか想像する楽しみがあります。舞台は生きものですので、そのような変化を楽しむ時間も、かけがえのない時間だと思います。
公演期間:2023年1月12日〜3月26日
場所:예술의전당 오페라극장(芸術の殿堂 オペラ劇場)

