경기도(京畿道)の北東部に位置する양평(楊平)は서울からのアクセスがいいため、週末は家族連れやカップルでにぎわう韓国きってのリゾート地。昔はドライブデートの定番コースともいわれていました。
今回はそんな楊平にある한정식(韓定食)の人気店へGO! 郊外ならではの広大な한옥(韓屋:韓国の伝統式な様式の家屋)カフェもチェックしてきました。
イ・ヨンジャも訪れた! おかずたっぷりの韓定食に大満足
3月のある日。小学生の息子の2カ月という長い冬休みを日本で過ごして韓国に帰国した私を、韓国人のママ友がランチに誘ってくれました。
目的地は京畿道の楊平。명동(明洞)からだと1時間半ほどかかりますが、잠실(蚕室)からなら車で40分ほど。
ソウルは山に囲まれた都市なので、車で少し走るだけで自然豊かな田舎道を走ることができるのがいいところ。
あいにくのお天気でしたが、おいしい韓定食とカフェはソウルでは味わえない味と雰囲気でした。
まずは、韓国の人気バラエティー番組「전지적 참견 시점(全知的おせっかい視点)」で이영자(イ・ヨンジャ)がお薦めした食堂へ。
맛집(おいしいお店)を紹介する番組がたくさんある韓国で、イ・ヨンジャほどの信頼を得ているコメンテーターはいないのでは?と思うほど、韓国人の心をつかんでいるグルメの女王。
その人気は絶大で、ソウル市内で彼女が薦めた食堂はたちまち行列ができる繁盛店に。自身のレシピも評判です。
楊平にある「담소(ダムソ)」もイ・ヨンジャが訪れた맛집で、食いしん坊の間では有名なのだとか。友人も何度も訪れていて、韓国料理好きの私に食べさせたいと、連れて来てくれました。
店内には「전지적 참견 시점」をはじめ、現在も放送中の主婦向けの情報番組「알짜왕(アルチャ王 ※韓国語で알짜はえりすぐりの、という意味)」のキャプチャー写真も。芸能人のサインもたくさんあり、期待が高まります。
私たちがオーダーしたのは백반(定食)メニューの中にあるBセット(2人前・3万4000W)と코다리조림(干しスケトウダラの煮つけ・1万4000W)。
Bセットは더덕구이(ツルニンジン焼き)、고등어구이(サバ焼き)、뚝불고기(土鍋プルコギ)がサーブされ、ボリュームたっぷり。
基本のおかずは毎日9種類ほど、その他된장찌개(韓国式のみそ汁)とご飯もセットで出てくる太っ腹ぶり。
やはり、田舎の食堂は違いますね。ソウル市内の食堂はチェーン店が随分増えた上、物価高に伴っておかずが減っているので、こうした手厚いおもてなしを受けるとうれしくなります。
旅行で訪れる方には難易度が高いかもしれませんが、ソウル市内に飽きた方はぜひ、隣の京畿道まで足を延ばしてみてください。
店舗情報
まるで高級ホテル! 古き良き韓屋を改装したベーカリーカフェ
次に向かうのは、ダムソからソウル方面に車で10分ほど走ったところにあるカフェ「하우스 베이커리(ハウスベーカリー)」。
昔ながらの韓屋を改装したカフェはソウルにもいくつかありますが、さすが楊平。規模が違います。とにかく広大で、庭を眺めながらお茶ができるのがなんともぜいたく。
ソウルの韓屋カフェというとこじんまりとした中庭を眺めながらお茶をするのが定番ですが、こちらは個室や離れもたくさんあり、ゆったりとした空間で隣を気にすることなく落ち着けます。
そしてこのカフェ、建物だけでなくパンがおいしいことでも有名。中でもフルーツをふんだんに使ったデザートパンがたくさんあり、悩んだ揚げ句マンゴークロワッサン(8800W)を注文することに。
ダムソでたらふく韓定食を食べた後だったので、パン1つを3人でシェアした結果……きれいなマンゴークロワッサンが見るも無残な姿に……。
ただし、味は◎。ふわっと軽いクリームで、マンゴーの自然の甘味をしっかり味わうことができました。
週末は子供連れも多く訪れるそうで、こんなにかわいらしいあんバターパン(6600W)も。大韓民国製菓技能長の会員証も飾られています。
日本ではおしゃれなカフェだとNO KIDSの場合もありますが、ここはむしろ子どもはウェルカムなのだとか。
「都会に慣れた子どもたちから昔を懐かしむシニア世代まで、幅広い年齢層の人々がこの韓屋でくつろげたら」というカフェのコンセプトもいい!
外に続く砂利や石が敷かれた廊下は、まるでホテルの客間に続く廊下のよう。
混雑する週末は2時間制を導入しているそう。私が訪れた平日は人もまばらで、時間を気にすることなくくつろぐことができました。