경상남도(慶尚南道)に位置する통영(統営)は韓国でも有数の港町として知られ、観光地としても人気。列車の駅はなく、부산(釜山)からは車で2時間、서울(ソウル)からは4時間半ほどかかるので交通の便は決して良いとは言えませんが、だからこその懐かしい風景がそこかしこに残っています。活気あふれる市場や美しい島々が浮かぶ海を眺めに、旅してみませんか。
高速列車・SRTで、ソウルから普州まで約3時間40分
今回私は、行きは진주(晋州)駅行きのSRT、帰りは마산(馬山)発のKTXに乗車して統営を旅してきました。ソウルから統営まで、高速バスなら4時間半ほど。高速バスターミナルや南部ターミナル、東部バスターミナルから毎日バスが出ています。

こちらは2016年に運行を開始した韓国の高速鉄道・SRTの수서(水西)駅。ここを起点に、釜山や목포(木浦)方面へ運行しています。最高時速は約300kmで、KTXよりも列車が新しいのが特徴です。

水西駅から3時間40分ほどで晋州駅に到着。晋州は古い城郭や伝統文化で有名な都市なので、駅舎も韓屋風の屋根や伝統建築を取り入れたデザインになっています。
そして、ここから統営までは車での移動に。およそ55〜60kmの距離があり、所要時間は約50〜60分ほど。私は統営に親戚がいるので、車で迎えに来てもらいました。タクシーを利用した場合、料金の目安は5万〜6万5000ウォンほど。晋州~統営の高速バスも出ています。
港町ならではの活気と情にあふれた統営
入り組んだリアス式海岸と多島海の美しい景観がイタリアのナポリを思わせるため、‟東洋のナポリ”とも呼ばれる統営。その地形のおかげで波が比較的穏やかなため、魚介類が育ちやすく、養殖にも適しています。

特に굴(牡蛎)の養殖が有名で、私が訪れた5月は멍게(ホヤ)がシーズン。市場にはホヤをはじめ、さまざまな魚介類が並びます。


魚がさばけなくても大丈夫。その場で아줌마(アジュンマ)が手際よく内臓をのぞいてくれるので、생선구이(焼き魚)や매운탕(メウンタン)も簡単に作れます。

市場に必ずと言っていいほどある、ヤクルトカー。このユーモアあふれる看板は初めて見ました。

市場のおかず屋さんの上には看板ネコが。ただ、衛生面は大丈夫なのかと、一緒にいた시어머니(シオモニ)は怪訝そうにしていました。

写真中央に見えるのは、 亀の甲羅のような屋根で敵の侵入を防ぎ、高い戦闘力を発揮した거북선(亀甲船)を復元したもの。豊臣秀吉による朝鮮出兵「임진왜란(壬辰倭乱)」の際に、이순신(李舜臣)将軍が率いた朝鮮水軍の装甲軍船です。
ほかにも統営にはケーブルカーやリュージュなど、観光客が楽しめるアクティビティがあります。そして、吞兵衛さんにおすすめなのが統営だけの変わった居酒屋「다찌(ダチ)」。お酒を注文すると、それに合わせて海鮮料理が次々に出てくる統営ならではのスタイルで、言うならば日本の“お通し文化”を豪華にしたようなもの。ダチ目当てで統営を訪れるお酒好きもたくさんいます。
仏様の誕生日ならではの催しを体験
韓国では祝日となる부처님 오신 날(仏様の誕生日)。若い世代ではあまり行われませんが、統営のような田舎に住む年配者は事前に有料の연등(提灯)を飾る人も多く、当日は無料の食事が振る舞われます。

本堂でお祈りをするのは日本と同じ。 삼배(三拝)といって、お辞儀を3回するのが一般的です。
仏様の誕生日を祝って、色とりどりの提灯が飾られたお寺は絵になりますね。


本堂の横で無料の食事が振る舞われます。승님(お坊さん)が普段食べる食事と同じで、肉や魚を使わない사찰음식(精進料理)となりますが、山の中で食べるピビンパッは滋味深い味わいでとてもおいしく感じました。

お寺は山の奥にあり、一般のお客さんは歩いて登りますが、ご年配の方々はタクシーで参拝されていました。
ソウルにいるとなかなか体験できない、韓国の田舎ならではの伝統的な祝日。日本人として、やはりお寺を訪れるとしゃんとした気分になりますし、いい経験ができたと思っています。
