건강하세요(お元気で)は間違い? 動詞の語尾なのに形容詞にも付くの?

こんにちは。韓国語講師の清水碧(しみずみどり)です。

よく見聞きする건강하세요(お元気で)と행복하세요(お幸せに)という表現、実は文法的には誤った表現だということはご存じでしょうか?

今回は、このように動詞の語尾なのに形容詞にも付くものを見ていきましょう。

動詞にだけ付く語尾

命令、禁止、勧誘、願望の語尾や表現は性質上、動詞にのみ付きます

例えば次のような感じです。

-(으)세요(命令)
빨리 가세요. 早く行ってください。

-지 마세요(禁止)
들어가지 마세요. 入らないでください。

-자(勧誘)
같이 먹자. 一緒に食べよう。

-(으)ㅂ시다(勧誘)
같이 봅시다. 一緒に見ましょう。

-고 싶다(願望)
보고 싶어요. 会いたいです。

これらの語尾や表現を形容詞に付けるとおかしくなりますね。

-(으)세요(命令)
×더우세요. 暑くあってください??

-지 마세요(禁止)
×어렵지 마세요. 難しくなくあってください??

-자(勧誘)
×춥자. 寒くいよう??

-(으)ㅂ시다(勧誘)
×비쌉시다. 高くいましょう??

-고 싶다(願望)
×맵고 싶어요. 辛くいたいです??

ただし、形容詞の中でも건강하다(健康だ)、행복하다(幸せだ)にはこれらの語尾や表現がよく付きます。次の項目で詳しく見ていきましょう。

건강하다(健康だ)、행복하다(幸せだ)+動詞に付く語尾

건강하다や행복하다に、上で挙げた動詞に付く語尾が付く例を見ていきましょう。

-(으)세요(命令)
건강하세요. お元気で。
행복하세요. お幸せに。

-자(勧誘)
건강하자. 健康でいよう。/健康になろう。
행복하자. 幸せでいよう。/幸せになろう。

-(으)ㅂ시다(勧誘)
건강합시다. 健康でいましょう。/健康になりましょう。
행복합시다. 幸せでいましょう。/幸せになりましょう。

-고 싶다(願望)
건강하고 싶어요. 健康でいたいです。/健康になりたいです。
행복하고 싶어요. 幸せでいたいです。/幸せになりたいです。

なお、-자、-(으)ㅂ시다、-고 싶다の日本語訳が2つずつありますね。

これは、

앞으로도 쭉 행복하자. これからもずっと幸せでいよう。
우리 결혼해서 행복하자. 私たち結婚して幸せになろう。

나이 먹어도 건강하고 싶어요. 年を取っても健康でいたいです。
건강하고 싶어서 운동을 시작했어요. 健康になりたくて運動を始めました。

のように、文脈によって「~でいる」と「~になる」の2通りの日本語訳があるためです。

건강하다や행복하다に禁止を表す-지 마세요を付けた形は存在しないわけではなく、歌詞などで別れた恋人に対して행복하지 마(幸せになるな)といった表現が登場しますが、意味的に普段から多用するわけではありません。

행복하다や건강하다に動詞に付く語尾が付いた形はよく用いられますが、文法的には誤りなので、規則通りの表現にすると次のようになります。

건강하세요と행복하세요を例に見てみましょう。

건강하세요. お元気で。
→ 건강하게 지내세요. 元気にお過ごしください。/
  건강하시기를 바랍니다. 健康であることをお祈りします。

행복하세요. お幸せに。
→ 행복하게 사세요. 幸せに暮らしてください。/
  행복하시기를 바랍니다. 幸せであることをお祈りします。

その他の形容詞+動詞に付く語尾

ここまで행복하다、건강하다の例のみ見てきましたが、他の形容詞にも本来動詞にのみ付く語尾や表現が付くことがあります。2つ例を見てみましょう。

1 形容詞+지 마세요

特によく用いられるのが、아프다(痛い、具合が悪い)に-지 마세요が付いた아프지 마세요です。直訳すると「具合を悪くしないでください」ですが、風邪をひいているなど既に具合の悪い人に対して、「体に気を付けてください、お大事になさってください」の意味で用います。日常会話ではパンマルの아프지 마(体に気を付けて、お大事に)という形がよく用いられます。

-지 마세요が付く形容詞には他に외롭다(寂しい)や슬프다(悲しい)などがあります。上で歌詞に행복하지 마という表現が登場すると述べましたが、슬프지 마(悲しむな)や외롭지 마(寂しがらないで)なども登場します。

2 形容詞+-고 싶다

上で挙げた행복하고 싶다、건강하고 싶다の他にも、예쁘고 싶다(きれいでいたい/きれいになりたい)、멋지고 싶다(かっこよくありたい/かっこよくなりたい)などが用いられます。肯定的な意味を表す形容詞には-고 싶다が付きやすいようです。

いかがでしたでしょうか? この記事で扱った表現の中で、特に행복하세요、건강하세요、아프지 마세요は日常会話で多用されるので、文法的には誤りだときちんと分かっていれば、会話で用いるのは問題ないと思います。

もっと知りたいハナタス
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