韓国の2週間の出来事をピックアップして紹介するコーナー。今回は、6月13日から26日までの出来事から、以下の三つのニュースをご紹介します。
韓国の放送各社が公式YouTubeで提供するニュース動画もぜひご覧ください!
記事の目次
新政権発足で株価上昇 KOSPI が3年9カ月ぶりに3,100越え
이재명(李在明)政権の発足以降、韓国の株価指数である코스피(KOSPI、韓国総合株価指数)が上がっています。
6月24日には종가(終値)で3年9カ月ぶりとなる3,100を突破しました。大統領選の前日の株価が2,700を切っていたので、20日で400ポイント上がったことになります。
昨年12月の非常戒厳宣言以来、政治的不確実性から韓国経済は今年の経済成長率を下方修正するほど冷え込み、KOSPIも一時2,400を切っていました。それが、急激に上がったのは、新しい政権が発足したことで、政情に対する不安が解消し、何かしらの経済対策が打たれる期待感、それも選挙戦の最中から「KOSPI 5000時代」などとうたうほど株式市場フレンドリーな李在明大統領の発言が特に海外の投資家から好感を得たと、韓国メディアでは分析しています。
24日は、이스라엘(イスラエル)と이란(イラン)が停戦に合意したことが発表され、世界情勢の危険感が後退したことから、前日から一気に3%近く上がりました。
このような勢いで、21年6月に記録した株価の最高値3,302を突破するのは時間の問題にも思えますが、トランプ関税の交渉の行方や冷え込んだ内需の回復具合によっては、再び下落する可能性もあります。
また、외환시장(外国為替市場)では韓国通貨のウォン高が続き、4月には100円が1000ウォンを超えていた환율(為替レート)が、26日現在、942ウォンとなっています。
ソウル都心でクィア・カルチャー・フェスティバルが開催
「プライド月間」の6月は、성소수자(性的マイノリティ)を祝福し、その権利を啓発するイベントが世界中で開催されています。
ソウルでは、6月1日から22日まで、「私たちは決して止まらない」をスローガンにした第26回퀴어문화축제(クィア・カルチャー・フェスティバル)が開催され、中心イベントであるパレードが14日、行われました。
以前は、ソウル市庁前にある서울광장(ソウル広場)で開催されていましたが、오세훈(呉世勲)氏が2022年に市長に返り咲いてからは、別の団体の申請を理由に、ソウル広場をこのフェスティバルの開催に使わせないようになりました。そのため、今年も을지로(乙支路)から종각(鐘閣)一帯での開催となりました。
今年も、周辺でキリスト教右派団体を中心に反対集会が行われる中、約3万人(主催者発表)がパレードに参加しました。
毎年ブースを出したり、メッセージを発してきた米国大使館はトランプ政権の発足により参加しませんでした。また、マイノリティの人権を守るべき국가인권위원회(国家人権委員会)も、性的マイノリティに対し偏見を持つ안창호(安昌浩)氏が昨年、委員長に就任したこともあり、2017年から毎年ブースを出し続けていたのにもかかわらず今回の参加を見送りました。
ただ、関連ニュース動画にありますように、国家人権委員会からは有志たちが性的マイノリティを支援する「앨라이(アライ、Ally)」としてブースを出展しました。
まだまだ性的マイノリティに対して厳しい韓国社会ですが、昨年7月には、韓国の대법원(最高裁)が同性パートナーを国民健康保険の被扶養者として認める判決を言い渡しており、現在の進歩政権下で「포괄적 차별 금지법(包括的差別禁止法)」の制定に向かえるか、注目されます。
政府が全国民に「消費クーポン」を支給
韓国政府は19日、国務会議を開き、全国民に15〜52万ウォン(約1.6〜5.5万円)の「소비 쿠폰(消費クーポン)」を支給することなどを盛り込んだ、総額30.5兆ウォン(約3兆2500億円)規模の추가 경정 예산안(追加補正予算案)を議決しました。
李在明大統領は、26日に国会で行なった施政演説の中で、追加補正予算案の必要性を説明し、민생 경제(民生経済)を一刻も早く立て直すため、国会での可決に向け与野党の協力を要請しました。
追加補正予算案の目玉が、13兆2000億ウォン(約1.4兆円)を支出する「消費クーポン」です。
一人当たりの支給額は所得によって異なり、上位10%は15万ウォン、기초생활수급자(生活保護受給者)は50万ウォン、約85%の国民は25万ウォンとなります。人口減少地域である84の自治体住民には追加で2万ウォンが支給されます。
対象は「国民」だけでなく、コロナ禍で給付された긴급재난지원금(緊急災害支援金)の時と同様に、外国人も永住者、韓国人の配偶者、難民認定者が含まれる見込みです。
消費クーポンは、現金ではなく地域通貨の一種である「지역사랑상품권(地域愛商品券)」や선불카드(プリペイドカード)、普段使用しているクレジットカードなどで受け取ることができ、居住する地域の市場や小規模店舗などで、期間を限定して使用できる見込みです。
7月の早い段階で追加補正予算案が可決されれば、7月中の支給も可能だそうです。
韓さんのニュース+α「韓国で時価総額が最も高い企業は?」
1番目に取り上げたニュースに関するクイズです。次のうち、韓国で時価総額が最も高い企業はどれでしょうか?
1NAVER(ネイバー)
2삼성전자(サムスン電子)
3현대자동차(現代自動車)
6月26日現在、時価総額1位のサムスン電子が356兆ウォン(約38兆円)、現代自動車は5位で43兆ウォン(約4.6兆円)、NAVERは9位で41兆ウォン(約4.4兆円)でした。
今回紹介した3つのニュース、いかがだったでしょうか? 紹介したニュース動画はいずれも2分前後のものです。聞き取り練習にぜひ生かしてみてください。