韓国の2週間の出来事をピックアップして紹介するコーナー。今回は、9月5日から18日までの出来事から、以下の三つのニュースをご紹介します。
韓国の放送各社が公式YouTubeで提供するニュース動画もぜひご覧ください!
米国・現代工場で拘束された労働者475人が韓国に帰国
9月4日、현대(現代)自動車とLGエナジーソリューションの合弁会社がジョージア州に建設しているバッテリー工場を米移民関税捜査局(ICE)が強制捜査し、適正なビザを所持していなかったとして475人を逮捕しました。そのうち韓国国籍者は300人以上に上り、日本人も3人含まれていました。
韓米首脳会談が開催されて間もないことや、捜査官が拘束者に手錠や足かせをはめて連行する動画が流れたことから、韓国では大きな衝撃をもって受け止められました。これに対し韓国政府は、韓国国民の権利を尊重するよう米政府に苦言を呈しました。
拘束者は収容施設に収監され、1週間後の11日、韓国人316人と日本や中国の国籍者14人が企業側の用意したチャーター機に搭乗、12日午後仁川国際空港に到着しました。
今回、拘束された韓国人の多くは、機械設備を設置するために下請け企業などから派遣された技能労働者です。本来取得すべきH1Bビザの取得が難しいため、短期商用目的のB1ビザなどで入国していたといいます。
今回の事態によりバッテリー工場の完成は数カ月遅れる見通しで、韓国政府は専門職などに対するビザ制度の見直しを米国に要請しています。
米国市民権保有のサムスン会長長男が韓国海軍に入隊
9月15日、이재용(李在鎔)サムスン会長の長男で米国市民権を持つ이지호(イ・ジホ)氏(25)が韓国海軍に入隊しました。
一個人の入隊がニュースになるのは、ジホさんは米国生まれで、韓国国籍と米国市民権を保有しており、兵役が義務付けられていないことからです。
ジホ氏はこの日、진해(鎮海)にある海軍士官学校に入営し、11週間の訓練を経て、12月1日に海軍少尉として任官する予定です。訓練と義務の服務期間を合わせ39カ月の軍生活を送ることになります。
一般兵士としてではなく将校として入隊する場合、二重国籍が許されておらず、ジホ氏は米国市民権を放棄したと伝えられています。
このところ、大企業グループの3、4代目で、兵役の対象でない女性や米国市民権保有者の入隊が続いています。兵役の義務を積極的に果たす姿勢が、企業イメージの維持に欠かせないものになっている現状が浮かび上がります。
李在鎔会長は、2020年に自分の息子や娘に会社の経営権を引き継がないつもりだと述べていたことがあり、今後、その考えに変更が生じるか、注目されます。
「脱北者」の代わりに「北向民」を検討
1990年代以降、北朝鮮を離れ韓国などで生活している人を「탈북자(脱北者)」、または「탈북민(脱北民)」と呼んでいますが、この名称の変更を検討していると韓国통일부(統一部)が9月16日に明かしました。
これは、北朝鮮を離れた人々が「脱北」という用語にネガティブな意味が含まれていると感じているためで、変更後の名称は「북향민(北向民)」が有力視されているようです。
昨年、脱北者を対象にした世論調査で、58.9%が名称変更の必要性があると答えており、名称としては「하나민(ハナ民)」、「통일민(統一民)」も好まれていることが分かりました。
20年前には「새로운 터전에서 삶의 희망을 품고 사는 사람(新しい場所で人生の希望を抱いて生きる人)」という意味の「새터민(セト民)」が名称変更の候補に挙げられていましたが、経済的な理由で北朝鮮を離れたというニュアンスが強いことから、当事者たちから良い反応が得られませんでした。
新しい名称は、専門家らの諮問を経て、年末までに当事者の意見を聞きながら選定される計画です。
のは?」
3番目に取り上げたニュースに関するクイズです。兵役で入隊した場合、初めの階級である이병(二兵)時に受け取れる月給はいくらでしょうか?
1 30万ウォン(約3.2万円)
2 75万ウォン(約8万円)
3 150万ウォン(約16万円)
2018年から兵役で入隊した兵士の給料が大幅に上がり始め、現在は二兵で8万円ほどです。兵役中の最後の階級である병장(兵長)は150万ウォン(16万円)です。
今回紹介した3つのニュース、いかがだったでしょうか? 紹介したニュース動画はいずれも2分前後のものです。聞き取り練習にぜひ生かしてみてください。