韓国の2週間の出来事をピックアップして紹介するコーナー。今回は、6月29日から7月10日までの出来事から、以下の三つのニュースを紹介します。
韓国の放送各社が公式YouTubeで提供するニュース動画もぜひご覧ください!
記事の目次
6月の輸出額が世界4位を記録。半導体が牽引
2026年6月の韓国の수출액(輸出額)は1,022億5,000万ドルとなり、前年同月比70.9%増を記録しました。月間輸出額が1,000億ドルを超えるのは韓国史上初めてであり、世界でもドイツ、中国、米国に次ぐ4番目の記録となります。
この好調な輸出を力強く牽引しているのが、AI需要の急拡大を背景とした반도체(半導体)です。半導体輸出額は448億ドルに達し、輸出総額の4割以上を占めました。前年同月比では199.5%増となり、過去最高を更新しています。
輸出先別に見ると、中国向け輸出は200億3,000万ドル、米国向け輸出は200億2,000万ドルとなり、両国向け輸出が初めて同時に200億ドルを突破しました。中国、米国という二大市場向け輸出の拡大が、韓国経済の成長を支える大きな要因となっています。
また、今年上半期(1〜6月)の累積輸出額は4,967億ドルに達しました。このペースが維持されれば、年間輸出額が初めて1兆ドルに到達する可能性も指摘されています。韓国の年間輸出額が初めて100億ドルを超えたのは1977年のことであり、約50年間で輸出規模は100倍へと拡大したことになります。
一方で、こうした好調な数字の大部分を半導体が支えているものの、雇用や内需への波及効果は限定的だとの指摘もあります。また、半導体依存の深まりに加え、米中対立の激化や保護主義の拡大といった外部リスクも存在します。
韓国経済はAI時代の到来を追い風に大きく飛躍する可能性を秘めている一方で、持続的な成長のためには半導体以外の産業の競争力強化や、輸出構造のさらなる多様化が課題となっています。
高校野球で「スターバックスに行こう」のヤジ
韓国の高校野球で、「스타벅스(スターバックス)」という言葉を使ったヤジが大きな社会問題となっています。
問題となったのは、6月29日にソウルで行われた청룡기(青龍旗)全国高校野球選手権大会の試合中の出来事です。
ソウルの배재(培材)高校の選手たちが、광주제일(光州第一)高校の選手に向かって、「가야지, 가야지, 스타벅스 가야지(行こう、行こう、スターバックスに行こう)」「탱크데이(タンクデイ)」などとヤジを飛ばしたことが問題視されました。
これらの言葉が注目を集めた背景には、今年5月のスターバックスの「タンクデイ」騒動があります。韓国のスターバックスが「タンク」と呼ばれるタンブラーのキャンペーンを、1980年の光州民主化運動が起きた5月18日に実施したことで、武力鎮圧に投入された軍の戦車を連想させるとして大きな批判を浴びました。
そのため、ソウルの高校の選手が光州の高校の選手に向かってこうした言葉を叫んだことは、光州民主化運動や光州市民を侮辱する地域差別的な言動として受け止められました。
韓国野球ソフトボール協会は、培材高校野球部に対して全国大会6カ月出場停止という厳しい処分を下しています。光州第一高校は韓国を代表する野球名門校であり、培材高校も多くのプロ選手を輩出してきた伝統校です。
事件後、培材高校の野球部員や保護者、教職員らは光州を訪れ、関係者や市民に謝罪するとともに、5・18민주묘지(5・18民主墓地)を訪れて光州民主化運動について学びました。
一方で、6カ月の出場停止処分については、進路を控えた高校3年生には重すぎるとの声も上がっています。8月の봉황기(鳳凰旗)全国高校野球大会に出場できず、大学進学に影響する可能性があるためです。
このため、培材高校の同窓会や学校関係者に加え、光州第一高校や光州民主化運動関連団体からも、教育的観点から処分の見直しを求める声が上がっています。
「クレヨンしんちゃん」の声優カン・ヒソンさん亡くなる
「이번 역은 시청, 시청역입니다(次は市庁、市庁駅です)」。
ソウルや釜山の地下鉄を利用したことがある人なら、一度は耳にしたことがあるこの声の主、성우(声優)の강희선(カン・ヒソン)さんが7月4日、持病のため亡くなりました。65歳でした。
カンさんは1979年に声優としてデビューし、40年以上にわたり韓国の放送界を支えてきました。なかでも1996年から担当したソウルと釜山の地下鉄案内放送は、多くの市民の日常に寄り添う、「最も身近な声」として親しまれてきました。
駅名や乗り換え案内を告げる落ち着いた声は、毎日の通勤・通学の風景の一部となっていました。
また、アニメ「クレヨンしんちゃん」の韓国語版「짱구는 못말려」では、1999年の放送開始以来26年にわたり、しんちゃんの母、봉미선(ポン・ミソン、日本ではみさえ)役を担当。時に厳しく、時に優しく家族を見守る母親の声は、韓国の多くの視聴者の記憶に刻まれています。
洋画では、샤론 스톤(シャロン・ストーン)や줄리아 로버츠(ジュリア・ロバーツ)など海外スターの더빙(吹き替え)でも活躍し、韓国を代表する声優の一人として知られていました。
抗がん剤治療を続けながらも録音の仕事を続けていたといい、その高いプロ意識に多くの人が敬意を表しています。
訃報を受け、声優界はもちろん、放送関係者や鉄道ファン、長年その声に親しんできた市民らからも惜しむ声が寄せられています。
韓さんのニュース+α「サムスン電子以前に時価総額1位だった企業は」
3番目に取り上げたニュースに関するクイズです。声優カン・ヒソンさんは、アニメ「クレヨンしんちゃん」の韓国語版で、みさえ役のほかに、맹구(メング)というキャラクターの声も担当していたそうです。さて、メングとは誰でしょう?
1 佐藤マサオ
2 ボーちゃん
3 吉永みどり
ご紹介した3つのニュース、いかがだったでしょうか? 紹介したニュース動画はいずれも2分前後のものです。聞き取り練習にぜひ生かしてみてください。
