“奇跡の男”が抱えてきた闇を描く映画『顔 -かお-』

アニメーションから実写映画、さらにはドラマシリーズとジャンルを広げながら、監督、脚本、原作、プロデュースなど、多彩な役割で作品を作り続けていきた연상호(ヨン・サンホ)。5年ぶりの劇場公開作品となった『顔 -かお-』では、困難を乗り越えて成功した男の抱える闇を描き出す。

40年前の両親はどんな日々を送っていたのか

生まれつきの視覚障害者でありながら、努力を重ね「美しい印鑑を作る匠」として名声を得た임연규(イム・ヨンギュ)。息子동환(ドンファン)も父のことを誇らしく思いながら生きてきた。

そんなある日、40年前に失踪したはずの母영희(ヨンヒ)の白骨死体が発見されたとの連絡を受け、警察に向かうドンファン。

一方、ヨンギュのドキュメンタリーを作るために密着していたプロデューサーの수진(スジン)は、謎めいたヨンヒのエピソードに興味を持ち、詳しい経緯を知るためドンファンとともに関係者を訪ねる。

「成長中心社会の裏側」を見せる人物ヨンギュ

現代から始まり、若き日のヨンギュとヨンヒが生きた70年代の出来事が回想されていく今作。ヨン・サンホ監督はあるインタビューのなかで「自分の中の成果主義がどこから来ているのかと振り返るうちに、『成長中心社会の裏側』を扱いたくなった」と制作の動機を語っている。

そして、「ハンディキャップを乗り越えた奇跡の男」としてのヨンギュを創作。独裁政権が続きながらも「한강(ハンガン)(漢江)の奇跡」と呼ばれる経済成長をなしとげた韓国社会を擬人化したキャラクターがヨンギュだとも付け加えている。

さらに、見えないなかで美しさを追求する彼と対照的な人物として、周囲から「醜い」と言われ続けてきた妻ヨンヒが生まれたという。

パク・ジョンミンが父子二役を熱演

부산행(プサネン)(新感染 ファイナル・エクスプレス)』(16)をはじめとする大作も多く作っているヨン・サンホ監督だが、コロナ禍以降、不振が続く映画界にあって、今作では予算と制作日数を大きく削り、自分の語りたい物語に集中。

これまでにない制作体制で作品を完成させた。そんな監督の思いに応えたのが、若き日のヨンギュと現代のドンファンの二役を演じた박정민(パク・ジョンミン)。

持ち前の集中力で複雑な人物の内面に迫っていく。現代のヨンギュに扮した권해효(クォン・ヘヒョ)も、홍상수(ホン・サンス)監督作品で見せる飄々とした姿とはまったく違う魅力を発揮している。

さらに、ヨン・サンホ監督とはドラマ『괴이(クェイ)(怪異)』でも組んだ신현빈(シン・ヒョンビン)がヨンヒ役で登場する。

Netflixのドラマ『ガス人間』では、プロデューサーと脚本という立場でカルト的な人気を誇る日本映画をリメイクしたヨン・サンホ。韓国では5月に新作映画『군체(クンチェ)(群体)』も公開されるなど、休みなく作品を作り続けている。

原題:얼굴
邦題:顔 -かお-
公開:(韓国)2025年9月11日(日本)2026年8月28日
監督:ヨン・サンホ
出演:パク・ジョンミン、クォン・ヘヒョ、シン・ヒョンビン、イム・ソンジェ
公式ホームページ:https://kao-movie.com/

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『顔 -かお-』予告編

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