韓国の2週間の出来事をピックアップして紹介するコーナー。今回は、5月16日から5月29日までの出来事から、以下の三つのニュースをご紹介します。
韓国の放送各社が公式YouTubeで提供するニュース動画もぜひご覧ください!
記事の目次
大統領選、在外投票の投票率が過去最高を記録
6月3日は大統領選挙の投票日。
この大統領選挙の投票を一足先に済ませた人々がいます。国外に暮らす韓国人です。
国外に暮らす韓国人が投票する「재외투표(在外投票)」が、5月20日から25日、118カ国223投票所で行われました。
「在外投票」は、留学や仕事で一時的に国外に滞在する人だけでなく、韓国内で住民登録されていない韓国籍者も選挙人登録を行ってすることができます。中央選挙管理委員会によると、選挙人登録された25万8254人中、投票に参加したのは20万5268人で、79.5%の投票率を記録しました。
これは、2012年の大統領選挙から始まった在外投票の歴史の中で、最も高い投票率です。これまで最も高かったのは、박근혜(朴槿恵)大統領の弾劾・失職に伴って行われた2017年の大統領選挙の75.3%で、3年前に行われた前回の大統領選挙は71.6%でした。
昨年12月の戒厳令騒動から半年が過ぎましたが、国外で暮らす韓国人の関心の高さが投票率の高さに表れているのかもしれません。
前回の大統領選挙における、윤석열(尹錫悦)候補と이재명(李在明)候補の得票差は24万7077票だったので、今回20万票を超えた在外投票の票は大統領選の結果を左右できる数字ともいえます。
ちなみに、日本には全国19の投票所が設けられ、2万7453人が投票しました。
ソウルで「観測史上最も暑い5月の朝」
5月21日のソウルは、朝の最低気温が23.0度を記録しました。
これにより2018年5月16日に観測したこれまでの最高値21.8度を更新し、「観測史上最も暑い5月の朝」となりました。
高温で湿った空気が南から流れ込んだことが、気温を押し上げた理由です。日中の最高気温も今年初めて30度を超えるなど、年々暑さが増しているようです。
そこで気になるのが、大統領選候補者の기후변화(気候変動)に関する公約です。
온실가스(温室ガス)の排出量に言及したのは、共に民主党の李在明候補、民主労働党の권영국(権永国)候補の2人です。権永国候補が2035年までに2018年の70%レベルに抑えるとの数値目標を掲げたのに対し、李在明候補は科学的根拠に沿って計画を立てると述べるにとどまりました。
パン工場で労働者がベルトコンベアに挟まれ死亡…不買運動も
韓国の製パン企業であるSPC삼립(サムリプ)の시화(始華)工場で、5月19日、50代の労働者がベルトコンベアに挟まれて亡くなる痛ましい事故が起きました。
ベルトコンベアに윤활유(潤滑油)をさそうとして挟まれたといわれています。
サムリプの他、パン小売チェーン大手の파리바게뜨(パリバゲット)や31アイスクリームの배스킨라빈스(バスキン・ロビンス)などを傘下に置くSPCグループでは、2022年、23年にも系列会社工場で作業中の労働者が機械に挟まれて亡くなっています。昨年、このような산업재해(産業災害)で亡くなった人の数は全国で589人に上ります。
27日、雇用労働部は중대재해처벌법(重大災害処罰法)違反などの容疑で、会社代表と法人を立件して捜査を行っています。重大災害処罰法は、事業主や経営責任者が安全確保義務などの措置を怠って重大な人的被害が生じた場合、事業主や経営責任者を処罰する法律で、2022年から施行されています。
また、韓国野球委員会(KBO)とのコラボで大人気を博している크보빵(クボパン)がこの工場で作られていたことから、野球ファンの間で不買運動が起き、サムリプは29日、生産の中断を発表しました。
韓さんのニュース+α「大統領選挙で在外投票者数が最も多かった国は?」
1番目に取り上げたニュースに関するクイズです。今回の大統領選挙で在外投票者数が最も多かったのはどの国でしょうか?
1米国
2日本
3中国
1位の米国は3万8620人、2位は日本で2万7453人、3位は中国で2万848人でした。続けて、ベトナム、カナダ、ドイツが続きます。投票所単位だと、東京の韓国大使館が1万5167人でダントツの1位です。
今回紹介したニュース、いかがだったでしょうか? 紹介したニュース動画はいずれも2分前後のものです。聞き取り練習にぜひ生かしてみてください。