※本記事は雑誌『韓国語学習ジャーナル hana』連載「Stage」掲載時の内容を転載したものです。掲載当時の情報に基づいており、最新の情報とは異なる場合があります。

今回、皆さまにご紹介する舞台は、2019年に初演、2020年、そして今年と再演が続く극단 공연배달서비스 간다 (劇団公演配達サービス「カンダ」)の舞台『템플(テンプル)』です。
『テンプル』は自閉症を抱えながら、世界的な動物学者になった템플 그랜딘(テンプル・グランディン)の学生時代の実話をモチーフにして作られた신체 연극(フィジカルシアター:せりふと共にダンスなどの身体的な動き、美術や映像を効果的に取り入れた舞台)です。
舞台はテンプルが高校を卒業するまでを描いています。
カンダでは、今までも実験的な舞台作りをしてきました。『거울공주 평강이야기 (鏡姫ピョンガン物語)』はアカペラミュージカルというジャンルで、美術セットのない舞台で、俳優の動きとせりふだけで森が表現されたり、洞窟が表現されたりと、作る側だけではなく、見る側の想像力を膨らませるような作品が多くありました。
『나와 할아버지(僕とおじいさん)』という舞台も、美術セットがほとんどない舞台上で、孫とおじいさんが旅をする姿が表現されました。
何もない舞台上で、観客の想像力の中だけで広がっていく物語。『テンプル』でも、このカンダのスタイルが踏襲されているのですが、今までよりさらに“動き”に力が入っています。
演出家민준호(ミン・ジュノ)さんと一緒に共同演出する심새인(シム・セイン)さんは振付家でもあるんです。2019年の初演を見たときは、ジャンルを超えたフィジカルシアターがとても新鮮で、俳優たちの動き、演技が素晴らしかったですし、長く愛される作品の始まりを見た気がして、とてもうれしかったのを覚えています。一人で何役もこなす俳優たちは、時には動物までも表現します。
2歳のときに自閉症の診断を受け、中学では同級生を殴って退学になる템플。母親は保護施設ではなく、普通の教育を受けさせてくれる学校を探します。
転校先の先生は、テンプルが言語ではなく視覚的イメージで物事を捉える才能を持っていることに気付きます。
舞台ではテンプルの心理状態、感情を俳優たちが動きで表現します。
2020年の再演時は公演がオンライン配信で見ることができたので、まだ発表されていませんが、今回も、オンライン配信で韓国に来られない皆さまも楽しむことができればいいなと願っています。
公演期間:2021年9月29日まで
場所:대학로예술극장 대극장(大学路芸術劇場大ホール)

