語幹を2種類持つ用言の話

韓国語の用言(動詞と形容詞)は、原則として、一つの語幹に対してさまざまな語尾が付いて活用していきます。

例えば、「着る」という意味の입 -という語幹があり、-고や-으면、- 어서などの語尾がそれぞれ接続して입고、입으면、입어서という形が出来上がります。このように、用言の語幹は原則として一つの単語につき1種類となっています。

ところが、中には一つの単語であるにもかかわらず、語幹を2種類持っている単語があります。そのような単語は、後ろに付く語尾によってどの語幹を使うかを選択しています。

例えば머무르다 (留まる)という単語は、르変則活用をする머무르 -という語幹と、それとは別に머물 -という語幹をもう一つ持っています。

この머물 -は、-고や- 지만など、子音で始まる語尾が付くときに使うことができます。それ以外の、-으면や- 어서などのように母音で始まる語尾が付くときには、머물 – の語幹は使われません。

それぞれの語幹に語尾が付いたとき、どのような形になるのか確認してみましょう。

このうち実際に使われる形は、上の行の三つと、下の行の머물고です。머물다は、辞書では単に「머무르다の縮約形」と説明されることが多いですが、いつでも縮約して活用させられるわけではなく、接続する語尾によって使えるかどうかが決まっているのです。

他にも同じようなパターンの単語がいくつかあり、「つたない」という意味の서투르다と서툴다、「もむ」という意味の주무르다と주물다などがあります。

また、この他にも一つの用言が2種類の語幹を持っているものがあります。それは、「お目にかかる」という意味の뵈다と뵙다、そして「尋ねる、うかがう」という意味の여쭈다と여쭙다です。

それぞれ、ㅂがない方が母音で始まる語尾(-으면、- 어서)に使われる語幹、 ㅂがある方が子音で始まる語尾(-고、- 지만)に使われる語幹となっており、一つの単語が二つの姿を持っていると説明することができます。先ほどと同じように活用を比較してみると、以下の通りです。

従来、これらの2種類の語幹は別々の単語と見なされ、意味の違いがあると言われてきました。つまり、뵈다と뵙다はそれぞれ異なる単語だということです。

確かにこれらを語源的に見ると、ㅂ というパッチムが古い時代に謙譲の意味を表す要素であったことは確かです。そのため、뵙다と여쭙다はパッチムのない뵈다と여쭈다よりも丁寧な意味を表すと説明されているのですが、実際の使われ方をよく観察してみると、これらはお互いに出現する環境を補い合っていることが分かります(このような状態を言語学では「相補分布」と呼びます)。

このようなことからも、一つの単語が語尾によって姿を変えていると考えるのがより適切であると言えるのです。

もっと知りたいハナタス
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